March 22, 2018

【催し】言語合宿「読む書くことと音読の交差」。★案内文追記しました。

「読む書く残す探求ゼミ」としてやってきた講座と本を持ち寄って音読する会をあわせた合宿です。

<大谷の案内文 音読について>

音読って嫌いだった。

僕にとって読むことは黙読で、黙読と言っても「僕のなかで」声が鳴るから、ちっとも黙っていないし、ちっとも静かではない。男であったり女であったり、幼かったり年老いていたり、ささやいていたり叫んでいたり、うつむいていたり胸を張っていたり、文体によってその声は千差万別。それなのに、伝わってくるだの響いてくるだのを優先した安直な音読や朗読はそういった様々な声を消し飛ばしてしまう。

つまり僕は原作至上主義者のようなもので、小説や漫画を映画化したりアニメ化したりするのはイメージが崩れるから嫌だというのに似ている。文字や絵だけの世界よりも生身の肉体が現実に出現するからすごいんですよ、なんて言い方は、主義者には方便にしか聞こえない。

そんな僕の頑なな主義を打ち破ったのが小林健司さん。
小林さんは音読が抜群にうまい。

息遣いや姿勢、仕草まで含めて、どうして僕のなかにしかないはずの「その声」が出せるのか。厳密に言えば僕のなかの声とは違っているはずなんだけど、でも「そうそう、そんな感じ」がする。僕自身が書いた文章を音読してもらってそれを確認したのだけど、まさに衝撃だった。

それまでこの世に存在しなかったものが表現されてみれば確かにそうだという現象を何度でも引き起こすことができるのだから、小林さんが音読について何かを掴んでいるのは間違いない。

小林さんの音読マニアっぷりはほんとにすごくて、フランス哲学の分厚い本を音読したのを録音して自分で聞いたり(翻訳でもフランス語っぽく読むといいらしい。でも、一体何時間かかるんだろう)、息抜きにハイデガーを音読して偉い人になった気分を満喫したりしている。息抜きにハイデガーを音読って。

そんなふうに四六時中音読している小林さんの音読論のおかげで、僕ですら音読が面白くなった。今では、黙読にはないある種の快感があるとさえ言える。

それでもまだまだ僕にとっては未知の大陸。
僕自身が楽しむために、音読の時間をたっぷり取りました。
誰も来なかったら独占します。

▶日 程:
2018年5月4日(金)から6日(日)

▶時 間:予定です。
 4日(金)
  講師の話 :11時から12時
  読む書く1:13時半から17時頃
 5日(土)
  読む書く2:9時半から12時頃
  読む書く3:13時半から16時半頃
 6日(日)
  講師の話 :10時から12時
  音  読 :13時半から17時頃

 ※終了時間が遅れる可能性があります。

▶内 容:
 読む書く: 参加者がじぶんで書いた文章を読み込んでいきます。
      文章の持ち込みは各回一人です。
      希望者は早めにお申し出ください(先着3人)。
 音  読:それぞれ持ち寄った本や文章などを音読します。
      各自音読したい本などをお持ちください。

▶場 所:まるネコ堂
    京都府宇治市五ケ庄広岡谷2-167
    http://marunekodoblog.blogspot.jp/p/blog-page_14.html

▶食 事:まるネコ堂で作って食べます。
▶宿 泊:まるネコ堂で宿泊。雑魚寝です。
▶注 意:猫がいます。アレルギーの方はご相談ください。

▶参加費:18,000円(宿泊・食事込み)
▶講 師:大谷隆(読む書く)、小林健司(音読)
▶定 員:4人程度

▶お申込:marunekodo@gmail.com (大谷)までメールください。
 ・お名前
 ・電話番号
 ・その他(何かあればご自由に。読む書くの文章持ち込み希望も)

▶参考サイト
 読む書く残す探求ゼミ https://yomukakunokosu.wixsite.com/yomukakunokosu
 雑誌「言語」 http://gengoweb.jimdo.com/

〈大谷隆のプロフィール〉
宇治市出身。「まるネコ堂」代表。編集プロダクションとNPO出版部勤務を経て2010年5月独立。自宅のまるネコ堂で、読む書く残す探求ゼミ、講読ゼミ、雑誌「言語」発行、考え事などを庭をうろつきながらしています。
・まるネコ堂ゼミ http://marunekodosemi.blogspot.jp/
・言葉の場所「まるネコ堂」 http://marunekodoblog.blogspot.jp/

<小林健司のプロフィール>
愛知県春日井市出身。大阪教育大学在学中に教育関係のNPOの起ち上げに関わり、卒業後も含めて約十年勤務する。ソーシャルビジネスの創業支援をするNPOでの勤務を経て独立し、大阪を中心に活動。2016年、滋賀県(琵琶湖の西北西あたり)にセルフビルドのログハウスを建て、2017年に第一子(男の子)が生れる。近所でバイトをしたり、執筆や子育てをしたり家の裏にある山や琵琶湖を散歩したりしながら、新しい暮らしをつくっているところ。
・人とことばの研究室 http://hitotookane.blogspot.jp/