January 31, 2020

【581】自分で地図を描きながら旅をする。ノートを録りながらする読書。

バンヴェニストは哲学者じゃないけど。

ノートを録りながらする読書が好きだ。単に気になった箇所をそのまま書き写しているだけで、特に、要点をまとめたり、自分の意見を書き込んだりはしない。これがなぜか楽しい。哲学書を読むときが一番ノートを録る。むしろ哲学書を読むのはノートを録りたいがため、かもしれない。

読んでいて、あ!っと思ったところがあると、そこを書き写す。あ!っと思っているぐらいだから、本当はそのまま読み進めたい。先が知りたい。でも、次のパラグラフへ移っていきそうになる視線をぐっとこらえてペンをとる。それが良い。こらえきれずに視線が先へと進んでしまって、ちょっと一息ついたところで、ページを戻ってきて、さっき、あ!っと思ったところを見つけ出して書き写すのも良い。

後者はちょっと冒険気分になる。未踏の大地を進みすぎてひょっとしたら迷子になるかもと思いながらビクビク進むあの感じ。これはなにかに似てるなといつも思っていたのだけど、あぁあれだ。ウィザードリィで1マス1マス、マッピングしながら進んでた、あれだ。

ウィザードリィというのは大昔のパソコンのゲームで、恐ろしく簡素なワイヤーフレーム画面の3Dロールプレイングゲームだ。真っ黒な画面に白い線が何本か走っているだけなのだけど、遊んでいるうちにその線が迷宮の壁に見えてくる。あまりに単純な画面でなんの目印もないから、油断するとすぐに迷ってしまう。迷うと地上に戻ってこれない。だから地図が必須だ。初めて降りてきた階なんかは、文字通り一歩進むたびに左右を確認して、方眼紙に壁を書き込んでいく。いちいち手間がかかる。本当はどんどん進んでみたい。でもそれをするとあっけなく全滅する。全滅したら新しいパーティーを組んで死体を回収しに来ないといけない。だからぐっと我慢して、鉛筆を握る。プレイ時間がものすごくかかる。

そうして作った自分の地図を頼りに迷宮を歩き回れるようになっていくのが楽しい。哲学書を書き写すのもそれと同じだ。一冊の本は広大な未踏の世界。少しずつ自分なりの地図を作って、何度も立ち止まり、振り返り、行きつ戻りつしながら世界を把握していく。

すでに本に書いてある文章をそのまま書き写してなんになるのか? という疑問は確かにあるけれど、これは予めゲームデザイナーがセッティングしたマップデータをゲームをプレイしながら書き写していく行為が一体何になるのか? という疑問と同じなのだ。そうすることで、本やゲームの世界を自由に歩けるようになる。そうしなければ、歩けない。そうすることがゲームをプレイすることであり、そうすることが本の世界を旅することだ。ゲームのマップなら攻略本を買えば間違いのない地図が手に入るから大幅に手間は省けてしまえるが、哲学書の攻略本はあまり当てにならないという違いがあるぐらい。

自分で地図を作っていきさえすれば、どんな世界だって旅することができる。ものすごく手間がかかるけれど、その手間を楽しめるとしたら怖いものはない。地図は少しずつしか出来上がっていかないし、とてもじれったい。その上、自分なりのものでしかなくて「公式マップ」ではないから、地図があっても時々道迷いをしてしまう。でもそういうことの隅々に面白さが満ち溢れている。



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January 30, 2020

【580】たぶん冬でも素足に草履で大丈夫。

暖冬だからまだ断言はできないし、まだ2月の寒さも経験していない。でも、たぶん大丈夫なんじゃないかと思っている。素足に草履で。

「近所で有名になってるで、裸足」と美緒に言われた。

よく保育園の子供が履いている「ミサトっ子草履」。子供が履いているやつをそのままサイズアップしただけで、ほぼ同じ形をしている。履き心地は、良いというか、特に気なるようなことがなく履いていられる。これで十分。二千円前後で買える。

去年の夏から履きだして、秋になり、そのうち寒くて履けなくなるだろうけどそれはいつ頃かな、なんて思いながら履いていたら、意外にも平気なまま冬を迎え、今に至る。もうすぐ立春。このまま春までいけるんじゃないかと思い始めた。

なかなか信じてもらえないのだが、歩いている限り足は冷えない。上半身は普通に寒いからダウンジャケットを着ている。僕の温度感覚が異常なわけでも、新しい健康法を実践してるわけでも、やせ我慢しているわけでもない。本当に冷たくない。

ちょっと関連するかもしれないと思うのが、下半身の筋肉量。この2年ほどスクワットをするようになって太ももの筋肉が増えた。歩くときに太ももの筋肉が動くのをイメージするようにしている。太ももの筋肉は人間の筋肉の中でも大きいものだから、発熱量も大きい。この大きな筋肉で生まれた熱が足先まで運ばれていると思われる。だとしたら、ある程度太ももの筋肉量は必要かもしれない(とは言っても僕も人並みで多い方ではない)。

僕は、むしろ家の中の方が足が冷えるから、家の中では靴下を履いている。理由はおそらく、家だとあまり歩かないからだ。あとは我が家は床が冷たい。だから、外出するときは、わざわざ靴下を脱いで出かける。外に出て草履で歩きだすと、しばらくは冷たいなと思うのだが、そのうちに気にならなくなる。外へ出る前に少し腿上げをしておくと最初から温かい。

こうなってくると逆に「靴下」というものの意味や用途が違ってしまっている。もう少しうまい対策がある気がする。これからの調査対象だ。

いずれにせよ、このまま春が迎えられたら、一年中草履でよいことになる。これはすごい。ミサトっ子草履の耐久性がどれぐらいかを検証する必要はあるけれど、買い替えてもそもそも安い。うまくすれば履物問題は解消である。一生これでいい。

もっとも、草履なので、長距離をぐんぐん歩くのには向かない。また、歩かないでじっとしていると冷たくなる。そんな場合はおとなしく革靴を履く。革靴の使用頻度が極端に下がったので寿命が伸びている。たぶん今履いている革靴で、こっちも一生間に合うんじゃないだろうか。



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January 29, 2020

【579】持ち歩くものを全部ショルダーバッグに入れている。

自分のブログの昔のエントリーをパラパラ見ていたらこんなのを見つけた。

【125】持ち歩くものを全部リュックに入れた。

2015年4月の記事。我ながら興味深かった。

この人は確かに僕なのだが、今の僕とは当然違う。こうやって持ち物が並べてあると、こういう人が確かに居たんだなという気分になってくる。ちょっと文化人類学の資料みたいだ。民俗学博物館にありそうな。

そんなわけで、2020年1月の僕の持ち歩く物がどうなっているかを同じように写真に撮ってみる。

5年でかなり物が減った。

リュックはあまり使わなくなった。理由は、外出そのものが大幅に減ったことが大きいが、普段持ち歩く持ち物も減っている。今は一式をショルダーバッグに入れている。

まずパソコンがなくなった。正確に言えば、パソコンは美緒と共有のを使っている。それは持ち歩くものではなくなった。僕の個人所有という位置づけではなく、まるネコ堂の備品になった。この変化は実は大きい。パソコンはもはや僕にとって「所有欲」の対象ではなくなった。水道や電気やテーブルや床と同じように必要なときに使えればそれでいい。共有パソコンはトートバッグに入れて同じ場所にいつも掛けてある。使うときはそれを取り出してきて、使い終わったらもとの場所に戻しておく。2015年当時はMacBook Airを「使わない日はない」と書いているが、今はパソコンを使わない日もある。

財布というか、以前はクリップで止めていたカード類は結局クレジットカード一枚になった。近所のスーパー「フレスコ」でカードが使えるようになったのが大きい。外出時にどうしても現金が必要な場合は予め必要分を美緒との共有財布から出してそれを持っていく。千円札一枚でだいたい用が足りる。

本は相変わらずゼミの本を持ち歩いている。今は『中動態の世界』。参考文献としてバンヴェニストの『一般言語学の諸問題』も本当は一緒に持っていたいが、ちょっと重いので本棚においている。スピノザの『エチカ』の文庫本も今は本棚。そのうちショルダーバッグに入れておくようになるかもしれない。そういえばレジュメは持ち歩かなくなった。

5年前と同じデニムのノートカバーを使っているのはちょっと驚いた。カバーの中身は、コクヨの「大人のキャンパスノート」A5無地80枚。「大人の」である必要性は無いんだけど、A5無地で枚数が多いものが「普通の」キャンパスノートのラインナップに(どうやら)ない。他のメーカーにも(どうやら)あまりない。入手性も重要で、大人のキャンパスノートは比較的手に入りやすい。諸々検討した結果、ノートはこれで確定である。まるネコ堂公式ノートブックだ。美緒も同じものを使っている。友人にも勧めたりしている。2015年にはMDノートを使っていたと書いているがコストダウンしていることがわかる。

ペンは1本になった。2015年にも使っていたペリカンの万年筆。インクはブルーブラック。これ一本あればいい。

携帯電話はなくなり、代わりにiPhone4sになった。SIMを入れていないので、厳密にはスマートフォンと呼ぶことができない。まるネコ堂内での使用がメインで、用途はキッチンタイマー、アラーム、天気予報、Messenger、メール確認、ライト、カメラ、ニュースリーダー。頻度もこの順番。iOSのバージョンが9.3でろくにアプリが入らない。これが壊れたら、キッチンタイマーは買うかもしれない。

ここには写っていないけれど、スマートフォンも一台ある。こっちはちゃんとSIMが入っている。これも美緒との共同所有で、外出先で連絡をとる必要がある場合は持って出る。普段は棚に置いてある。月500MBの最低ランクの契約だが毎月使い切れない。僕も美緒も、ほぼ24時間365日まるネコ堂に居るのでネットはADSLが大活躍している。

2015年当時、このエントリーを僕はたぶん「持ち物を減らしたぞ!」とか「限界まで絞り込んでみたらこうなったぞ!」といった意気込みを含んで書いたと思う。それでも、今から見ればよくそんなにたくさんのものを持ち歩いていたなと驚く。

書いておけば後で読み返せて楽しいので、また書いておこうと思った。



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【578】マフラーを失くしすぎて、マフラーをしなくてもよい服装を考えた。

ひと冬でマフラーを3本失くしたことがある。それ以来マフラーはしないと決めた。

その代わりどうしたら首が寒くないかと考え調べた。そして、首のところまでしっかりガードできるコートを着ればいいことに気がついた。バブアーのコートは大きめの襟がついていて、さらに喉元を覆う布がついている。その喉元ガードをボタンできっちりつけると首周りは全然寒くない。

ちょっと見えにくいけど左の襟に垂れ下がっているのが
喉元をガードできる布。

こういうことに気がつくとよく見かけるコートやダウンジャケットなども、ちゃんと上まできっちり閉めれば首周りがガードできるようになっていることがわかってくる。そういうふうに作られている。僕は、もともとコートに備わっている機能を適切に使うことができて嬉しい。

ほとんど人は、コートの首元までボタンやファスナーを止めることはせずに、その代わりにマフラーを巻いている。おしゃれというのはそういうものかもしれないが、ここまで無意識にマフラーを選択する人が増えてしまえば、マフラーをせずにコートの襟をしっかり立てている人のほうがむしろおしゃれに見えるのではないだろうか。本当におしゃれな人はそういう路線で考えてみるのではないか。僕はおしゃれじゃないから、単に機能的だというだけでそうしている人に見られているだろうけれど。



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January 27, 2020

【577】zoomカフェ2回目。

先週に引き続きzoomカフェ。

この一週間ほど風邪を引いて、少し仕事が溜まってしまったのでzoomをつなぎながら作業。しばらくして、てる子さんがやってきて喋る。てる子さんは自宅から。今日は美緒が大阪まで出ているのだけど、その美緒も少しだけ入ってきて、雨が降っている道を歩いている。

今日は風が強く雨も降っている。悪天候だと保育園の送り迎えが大変で、今朝は月曜日で荷物も多かったので、僕と美緒の二人で保育園まで行っていた。夕方の迎えの時には、やんでいてほしい。

てる子さんと何故か漫画のコマ割りの話をしていたら明日香がやってくる。明日香も自宅から。先週と同じく。明日香がやってきたのは画面上で確認しているけれどコマ割りの話の区切りがつかないのでそのまま喋り続けて、しばらくしてから明日香に挨拶する。

今日は僕も入れてこの4人で「カフェ」。同時に居たのは、てる子さん、僕、明日香の3人。3人になるととたんにたくさん人がいる感じになる。

一人だけだと特に何も起こらないというか、これからなにかが起こるかもしれないという予感だけ。そこにひとりやってきて二人になると、やり取りが始まる。このやり取りは常に相手との間にある。特に喋らずに作業をしていても二人だと「常に」相手がいる感じになる。そこにもう一人やってきて3人になると、世界が一変する。3人が一つの話に入っている状態ももちろんあるけれど、多くは二人が互いに話していて、もう一人が傍観者というか、横で聞いている感じになる。この横で聞いている感じがたぶん「たくさん人がいる」という意識につながっている。自分以外で世界が成立している感じ。自分が関与しないやり取りがあるという感じ。例えば僕が席を外しても僕以外の二人の会話は続いていたりする。とても豊かな感じがする。なんだか楽しかった。

ただ僕は、今日はちょっと作業をしすぎてしまったのが反省点。もう少しのんびりすればよかった。このzoomカフェは長く続けていきたいと思っている。だから、どうすれば長く続けられるだろうということを考えながらやっているのだけれど、のんびり度合いとか、関与の低さとか、そういうことをちょうどよくできればいいと思っている。

ちょうどカフェのマスターやバーテンダーが、そこに居るような居ないような、話を聞いているような聞いていないような感じで存在しているように。

来週もやるつもりです。
当日やっぱりやらないということもあるかと思います。ご了承ください。

●zoomカフェ
まるネコ堂は週末にイベントが多いので月曜日の午前に掃除をしたあとの午後の時間はちょっとお休み気分です。そういうときに行きつけのカフェに行って本でも読んだり、友達がいてちょっと話したり。そんな感じのことをまるネコ堂にいながらにしてできたらと思ってzoom(オンラインミーティング)をつないでいます。

特に何かをするような準備はしないです。あくまで休日の午後、行きつけの喫茶店でコーヒーを飲んでいるということで、そこに友達とか知らない人でも居てちょっと話をしたりできたらいいけど、誰も居なくてもまぁいいかっていう感じで、飲み物と本でも持って。

時間は月曜日の午後、1時半から4時(だいたい)。

次回は2月3日の予定です。

時間になったらこちらからどうぞ。
https://zoom.us/j/6529972012

画面に誰も写ってなくても気にしないでね。


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January 24, 2020

【576】自分と理想の自分との対話。

一昨日の文章筋トレの一本目、僕は次のような一文から書き始めた。

理想的な自分を書くことと現実的な自分を書くことをシーソーの両端にとる。
 文章筋トレに際して、予め書くことを考えておくことは僕はしていない。だから、この一文もその時に考えて書き出した。のだけど、そのときにこの一文が表していることを考えたわけではない。伝わりにくい文章になっているのは承知しているが、こういう内容のことを以前からずっと「考えて」いたけれど、一昨日の朝の10時過ぎ、何か書こうとして「考えて」この言葉を書いたのだ。前者の「考えて」と後者の「考えて」は違っている。こういうときに後者の「考えて」を「考えないで」と言い換える人がいることも知っているが、僕自身はそう思えないので「考えて」書いていると表す。

で、全く別の文脈から、昨日、僕は吉本隆明の教育に関する言葉を検索して、ほぼ日の「日本のこども」という糸井重里との対談を見つけた。驚いた。

帰するところ、最も重要なことは何かといったら、
自分と、
自分が理想と考えてる自分との、
その間の問答です。
僕は過去にこの記事を読んだのだろうか。読んでいたかもしれない。おそらくは読んでいたのだろう。しかし、この吉本隆明の言葉は記憶にはなかった。ないつもりだった。だから、僕は、一昨日、

理想的な自分を書くことと現実的な自分を書くことをシーソーの両端にとる。
と書いたのだ。 もし覚えていたらこういう書き方はしなかったはずだ。書くとしたら吉本の言葉として書いたはずだし、うろ覚えならうろ覚えだとわかるように書く。

吉本隆明に関してはこういうことが頻発する。僕が長い時間かけて考えてきて、ようやく言葉らしいものになったなと思ったら、とっくに吉本が書いたり話したりしている。お釈迦様の掌か。

吉本隆明の言葉はこのあとしっかりと、

「外」じゃないですよ。
つまり、人とのコミュニケーションじゃ
ないんです。
と続く。先生だったら、生徒とのコミュニケーションなんてやってないで、自分と自分の理想との問答をやりなさい。それを子供はちゃんとわかるんですよ。という話。もちろん子供だけでなく大人もわかっているわけで。

でまぁ、こう言われてしまうとクリアになってしまうのだけれど、僕からみて面白い人だなと思う人は、結局この「自分と、自分が理想と考えてる自分とのその間の問答」をたくさんやっている雰囲気を持っている人だ。そういう人の言葉はたとえ少なくてもありふれていても一言一言がもう面白い。逆に内的な問答をたいしてやっていない雰囲気の人の言葉は、見かけ上どんなに「深み」がありそうな言葉が選ばれていても、どんなに興味を引きそうな言葉が使われていても、その場限りだ。自分、つまり現実の自分にとどまり続けてひたすら「外」とコミュニケートしようとし続けている「反応する機械」なだけなのだから、その場限りなのは必然だ。僕自身も「機械」の時があって、そういう時の虚しい祝祭気分は独特の後味の悪さがあったのだけど、その理由もこれでクリアになってしまった。

とまあ、またしても吉本隆明にしてやられたという話。ほんとにいつ読んでも吉本はドキドキする。


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January 23, 2020

【575】新しい読むことについて。

半年ほど「下書き」に残っていたエントリー。
そこそこ面白く最後まで読めたので公開してみる。

−−−
とある作家のとある短編小説についてラスト近くで挿入されるエピソードがいまいちしっくりこない、どういうことか読んでみてください、と一冊の文庫本を手渡された。

この作家については実は個人的にあまり好ましくない過去があって、ただしそれはこの作家のせいではない。僕に文庫本を手渡した友人のせいでももちろんない。全く無関係だ。単に僕の個人的な過去だ。とはいえ、そんなこともあって、この作家は、以前はあまり好きではなかったし、読みたいとも思わなかった。

最近はさすがに僕も成長し、少しは大人になったので、好きでも嫌いでもなく読むことができるようになった。好きでも嫌いでもないのに読むというフレーズに重大な意味があるような気がしながらも、僕はその作品を読んだ。

一度読んで、大きく二つのことが印象に残った。一つは、おそらくこの作品に限らない、この作家のもつ文体に起因するものだ。もう一つは、おそらくはこの作品に限った、つまり、この作品を特徴づけることだ。

二回目を読んだ。一度目で印象に残った点について確認するように読んだ。

一つ目の、おそらくこの作家のもつ文体に起因する印象については一度目の印象と変わらなかった。そして、もう一つの方に、驚いた。

この作品をこの作家は、あるパラメータを基準にして構成したはずだ。そのパラメータの示す値によって作品中の善悪の感覚が決定されるように書かれている。これはきっとそうだ。そのパラメータが作品全体に渡って注意深くコントロールされている。それについてメモも取っておいた。

今度、文庫本を手渡した友人にあったらそのことを話そう。面白がってくれればいいが。

さて、一つ懸念が残る。

今回に限ったことではないが、最近本を読むということが、これに似たような経緯というか、依頼されて読んだり、要するに、必要にかられて読むことになってきている。以前のように、本屋の棚を横になぞっていきながら、初見でタイトルを見た瞬間に、あぁこれだとろくに中も開かずに興奮しながらレジへ持っていって、その日は寝ずに読む、というような読み方をもう何年もしていない。

僕にとって本を読むことは、僕が最もたくさん本を読んでいた中学生の頃の読み方から大きく離れたところまでやってきた。それが良いことなのか悪いことなのかはわからない。少なくとも、もう、僕にとって本を読むことは以前の僕のとは明らかに違ってしまっている。

好きで読む。没頭して読む。そういう読み方を僕はもう殆どしていない。これは悲しむべきことなのだろうか。悲しむべきことではあるだろうが、だからといってもう、戻ることはできそうにない。

たぶん、今はまた、踏ん張りどころなのだ。新しくなってしまった僕の読むことが、僕にとって祝福されたものであるかどうかは、これからの僕の専権事項で、以前の僕には判断できない。

読むことは広大な海である。思えば長い航海だ。僕の船は気が付かないうちに相当にガタが来ているのかもしれない。母港へ帰還して検査を受け修理をするときなのかもしれない。さて、母港はどこだったか。僕の読むことの原体験はなんだったか。


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【574】「レンタル」「定額制」から「サブスクリプション」へ。

別に「レンタル」でいいじゃないか、「定額制」と何が違うのか、と思うのだけど、実質的に「サブスクリプション」という言葉が流通している以上は、何かしら新しいフェーズに移ったということだろう。つまりは、「レンタル」や「定額制」とは、実質的に、違うのだ。

何かを所有するのではなく、サービスとして受益する。必要なときだけ契約し、不必要になったら解約できる。というのは、大きな流れとしてあると思う。これ自体は僕にとっては歓迎すべきことではある。だけれど、もちろん、バッグだのスリッパだのを作って売っている商売人としては、要注意事項でもある。今はまだ普通の製造販売業とみなされているが、そのうち「(今どき)売り切りの店」とか言われるようになるのかもしれない。

「壊れても修理が可能である」というキャラペイスの方針の一つは、すでにサブスクリプション的世界に入っているのだけれど、大前提としては商品そのものの所有がある。顧客には、バッグやスリッパを所有してもらわねばならない。

キャラペイスとして、遠くに見ている光景は「毎日使い続け、死ぬまで使い続けられるもの」であって、これ自体は、所有概念を必ずしも必要としない。売り切りだろうが、サブスクリプションだろうが、実質関係が無くなるぐらいの製品寿命とアフターサービスを一応念頭にはおいているが、これは、所有概念とはちょっとずれている話題ではある。少し話を引き戻そう。

たとえば、先祖代々伝わる道具を自分が生きている間は使って、死んだら子孫に引き継ぐ、みたいなことと似ている。このような物との関わり方は、少なくとも「個人所有」という語のニュアンスからは外れている気がする。あえて言えば「家族所有」「家系所有」といったところか。当事者は一時的に「預かっている(レンタルしている)」気分なのではないだろうか。こういうものを「私的財産」というのはちょっとずれていると思う。かと言って「公的財産」とも言えない。

美術品のコレクターも、一見すると成金趣味で金に物を言わせてほしいものを買い漁っているだけのように見えるが、よくよく聞けば、優れた美術的価値を将来へ引き継ぐために一時的に自分の手元に保管して散逸を防いでいるという意識だったりする(もちろん全員がそうではないだろうけれど)。

こういったことは、私的所有と公的所有の間のどこかに中間点を持つようなことではなくて、所有軸と異なる軸を設定したときに、うまく言えるようなものやサービスと人間との関わりがあるのだと思う。

適当に連想したイメージを列挙しておく。
・出来事を所有することはできない。
・見出すことは所有ではない。
・多くの物がほとんどの時間は誰にも使われていない。
・痕跡は記録することができる。
・神様には誰でもいつでも祈ることができる。
・ミッキーマウスは同時に一体しか存在できない。
・著作権とその限界。

そのうちもうすこし面白く書けるようになるかもしれないテーマ。


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■近々開催するまるネコ堂の催しなど
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●3月20日から24日:言葉の表出、春合宿2020
https://mio-aqui.blogspot.com/2020/01/2020.html

●3月29日(日):山本明日香レクチャー・コンサート
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●定期:文章筋トレ
隔週の水曜午前、月一土曜午後
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●毎月:『中動態の世界』ゼミ
第1回 1月25日(土)(全9回)
https://marunekodosemi.blogspot.com/2019/12/32.html

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マンツーマンの文章面談やっています。
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「書いてみたいけどなかなか書き出せない、書きあぐねている」
「書いてみたけどこれでいいのか不安」と思う人が多いようです。
この面談では、書くことが面白くて自分で書き進めていけるように
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・高校生以上:1回7,000円
・小中学生 :1回5,000円
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お問い合わせはメールで。
大谷隆 marunekodo@gmail.com

January 22, 2020

【573】1月22日の文章筋トレの様子。



水曜日は午前中開催。今日は初めて参加者全員がzoom参加ということで、僕も机にパソコンをセッティングして書いてみました。いつもは床に座布団をおいてそこに座ってやりますが、こういう感じも悪くないです。午前中で終わるというのも合わさって、デスクワークっぽくすっきりした感じでした。

文章筋トレの基本的なやり方はとても単純で、書いて、読んで、感想を話す、というだけなのですが、細かな進め方はまだ試行錯誤です。前回あたりから、書く時間だけでなく、読む時間、感想を話す時間も予め決めてアラームで管理するというやり方をやってみています。全体の終了時間が伸びてしまいがちなのが気になっていて、その対処なのですが、こういうやり方にすることで、文章筋トレの何かが損なわれてしまわないかをチェックしています。

今回は、ほぼ時間通りに終わることができ、文章筋トレとしてもキビキビした感じが出てこういう方向でいいのかなと思っています。

今日のメニューは、
・ショート10分
・ショート+20分
20分は名前をつけてなかったのですが、30分がミドルなので、とりあえずショート+で。

しばらく試行錯誤を続けていこうと思います。

水曜午前は隔週で、土曜日午後は月一で開催中です。
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January 21, 2020

【572】zoomカフェ1回目。

昨日のzoomカフェ、最初は誰も来なくて、しばらくして明日香がやってきてちょっと喋りました。誰も来ない間は本を読んでいたので、まぁいつもの午後と同じなのですが、それでも誰かやってくるかもと「店を開けている」感じの緊張感があって、逆に本に集中できた気がします。

zoomカフェで面白いと思うのは、つないだ場所がカフェになるというイメージです。昨日なら、まるネコ堂の工房(僕のいるところ)と明日香の自宅(桜川ピアノルーム)がカフェになる。

僕は大きめの作業テーブルで本とノートを広げて、紅茶を飲んでいる。その横で、美緒が絵を描いている。絵は大きくてイーゼルに立てかけていて、立って描いている。僕のいるテーブルの上に絵の具や水入れや筆入れが置いてあって時々それを美緒が取りに来る。

テーブルに置いたパソコンの画面に明日香がやってくると、明日香の部屋が接続される。明日香のパソコンのカメラには明日香が写っているのだけど、そのちょうど背後に大きな鏡がある。明日香が席を立つと、その鏡に写っている景色が見える。鏡の向こうには明日香の部屋のキッチンが見えて、そのキッチンで明日香はコーヒーを入れる。コーヒーが入ると明日香が鏡の前、画面の中央に戻ってくる。キッチンで明日香がコーヒーを入れているのを、カフェのカウンターの向こう側のように僕は見ている。

場所というのはこういうふうに接続できる。

他人が、その人自身ではない他人のために用意した場所へ、自分が行って、そこでサービスを受けるというのとは違う場所のあり方だ。自分がいる場所は自分でなんとかできるし、なんとかしなくてはならない。そうしてなんとかした場所を互いに接続することができる。こういう場所が増えていけばいいのにと漠然と思う。個人的な「密な」領域と、その接触ということ、それらは僕のイメージする豊かさに重なる。快楽もここから生まれる。

来週もやる予定です。

●zoomカフェ
まるネコ堂は週末にイベントが多いので月曜日の午前に掃除をしたあとの午後の時間はちょっとお休み気分です。そういうときに行きつけのカフェに行って本でも読んだり、友達がいてちょっと話したり。そんな感じのことをまるネコ堂にいながらにしてできたらと思ってzoom(オンラインミーティング)をつないでいます。

特に何かをするような準備はしないです。あくまで休日の午後、行きつけの喫茶店でコーヒーを飲んでいるということで、そこに友達とか知らない人でも居てちょっと話をしたりできたらいいけど、誰も居なくてもまぁいいかっていう感じで、飲み物と本でも持って。

時間は月曜日の午後、1時半から4時(だいたい)。

次回は1月27日の予定です。
時間になったらこちらからどうぞ。
https://zoom.us/j/6529972012

画面に誰も写ってなくても気にしないでね。



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「書いてみたいけどなかなか書き出せない、書きあぐねている」
「書いてみたけどこれでいいのか不安」と思う人が多いようです。
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January 19, 2020

【571】月曜午後のzoomカフェ(仮)やってみます。

月曜日はだいたいイベント明けで、まるネコ堂は休日モードなことが多いのですが、そういうときにふらっと馴染みの喫茶店なんかに行ったら、友達がすでに居て、お!とか言ってちょっと話したり、特に話もしないで本を読んだり、そういうのがやってみたくなるときがあって、でも今はもうほとんど外出しない生活で、馴染みのお店なんかもなくて、コーヒーも家ので満足してしまっているので、あぁそうか、zoomのミーティングを開いておいてそこに誰かが来てくれたら、まるネコ堂に居ながら喫茶店で友達とふと出会うような状況になるんじゃないかと思って、やってみます。

大体月曜日の午後ということで、あまり時間もきっちりしないで、そもそもやってないときもあると思います。あまり期待せずに来てください。

特に何かをするような準備はしないです。あくまで休日の午後、行きつけの喫茶店でコーヒーを飲んでいるということで、そこに友達とか知らない人でも居てちょっと話をしたりできたらいいけど、誰も居なくてもまぁいいかっていう感じで、飲み物と本でも持って。

平日の月曜日のだいたい午後1時半から4時です。

1回目は明日1月20日の予定です。

時間になったらこちらからどうぞ。
https://zoom.us/j/6529972012

画面に誰も居なくても気にしないでね。

●追記
やってみました。感想を書きました。
またやります。


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January 17, 2020

【570】風邪と宣伝、集中と偏在。

風邪が流行る季節。保育園の日誌も緊迫感が増してきた。

保育園は風邪などの感染症が流行りやすい環境なのだけれど、当然のことながらウイルスや細菌が「園内で新たに発生」するわけではない(こんなことが起こったら世界的な大事件)。親が職場や電車などで感染し、それが子供に感染って、子供から子供へ感染していく。だからうちのかかりつけの小児科医は「親の」インフルエンザ予防接種を推奨している。すべての園児のすべての親(と保育士)が感染症にかからなければ園児が感染することはない(極めて小さい)。園児が接触する人は、親と保育士であり、それ以外はほぼいないから。保育園の特殊性がどこにあるかというと一旦感染者が出ると「他の園児に感染しやすい」ということだ。

この「感染しやすい」という環境は、学校や職場、満員電車などもそうで、言い換えると「多数の人が近くにいる」こと、つまり「集中している」場所だ。他にも温度や湿度などウイルスや細菌に好適な条件が関係するだろうが、好適条件が整っても肝心の人がいなければ人の感染症は伝染らないから、結局のところ「人が集まっている」ことが「感染する」ことの本質である。

さて、この「人が集まっている」ことをもう少し現象的に見てみる。人が集まっていると、そこで起こることは、複数の人によって同時に体験される。起こったことを複数の人が同時に目撃(接触)する。簡単に言えば、多くの人に同じことが同時に起こるということだ。

感染症の場合は、これはマイナスなのだけれど、全く同じ理由で宣伝には都合が良い。感染力と宣伝力は同じもので、語の持つネガティブさやポジティブさを取り去れば、影響力といった語彙になる。影響力は「人が集まっている」ことによって増大する。

影響力を手っ取り早く行使したい人は人が集まっている場所に行けばよく、人を集めることができる人はすでにある程度の影響力を持っている。そして、この影響力という語彙が自明的に持っている世界観は「集中」である。

この「集中系」に対して、逆側の世界観が設定できる。「偏在系」と名前をつける。偏在系の世界観は、それぞれがバラバラに存在していて中心がない。集まりは、せいぜい小麦粉の「ダマ」程度のものである。影響の広がりは穏やかで、多くは世界中に到達することなく、各所で小さく広がりやがて消えていく。感染しにくく、宣伝しにくい。

偏在系の世界観では、誰も世界全体を見通すことができない。誰もが自分には見えない領域があることを知っていて、自分に見えている領域よりも見えてない領域のほうが大きいことも知っている。多くの人に同時に目撃されることや多くの人が同時に体験することは少なく、必然的に示すこととして「出来事というものは自分だけが体験するのだ」という方向へ行く。共感や共通は、第一義的には希薄になり、もしも共感や共通が発生するとすれば、それはある種のマジカルさを必要とする。

集中系では、同じ流行歌を聴いて、同じとみなせる体験をした人たちが同じ気持ちになることを「共感」と呼ぶが、偏在系では、異なる体験をしているにも関わらず、なぜか、同じ気持ちを想起することを「共感」と呼ぶ。

集中系では、自分の存在の周囲に人を集められる人が力を持つが、偏在系では、自分の存在とは異なる場所と条件で多発的に発生していくようなことが力を持つ。

集中的世界観では、自分の目で確かめることが重要視されるが、偏在系世界観では、自分の目で確かめられないことが重要視される。例えば、集中系では、豊かさは「自分が享受するもの」として捉えられ、自分が享受できないものは豊かさには含まれない(あるいは小さく見積もられる)が、偏在系では「自分の手元にはない」ということが豊かさを定義づける。

熱力学の第二法則では、時間経過に伴って乱雑さ(エントロピー)は増大し、逆はない。世界が一つの断熱系だとすれば、世界は集中から偏在へと進む。



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January 15, 2020

【569】第5回レクチャー・コンサートは有名曲シリーズです。


3月29日(日)、5回目の山本明日香レクチャー・コンサートを開催します。

これまでの4回は、大作曲家のソナタを1曲だけ選び1時間かけて解説して演奏するという、いわば「硬派に」やってきました。これはこれでずっしりとした重みがあって良かったのですが、次回はちょっと趣向を変えてみます。

比較的短く、誰でも耳馴染みのあるとても有名な曲を複数曲やってみます。ラインナップは、

・ベートーヴェン「エリーゼのために」
・モーツァルト 「トルコ行進曲」
・ドヴォルザーク「ユーモレスク」
・ドビュッシー 「月の光」
・リスト    「愛の夢」

たとえタイトルを知らなかったとしても、聴けば確実に「あぁあれか」となる曲ばかりです。

特に「エリーゼのために」は、誰でも一度や二度、どころか数十回は聴いたことがあるような曲ですが、これが「深く楽譜を読むこと」によってどう変化して聴こえるのか。レクチャー・コンサートは、聴くほうが自分から音楽に入っていって、その曲の世界に浸った状態で「自分の全部で音楽体験をする」感じになります。小さな作品でもあるし、何より聴き慣れているからと言って油断はなりません。果たしてどうなるのか、僕も楽しみです。

今回から会場を変更しました。広くなったのでたくさん来ていただけます。また参加費も思い切って下げてみました。かなりリーズナブルです。これまで以上におすすめですよ。

お申し込みと詳細は、下記ページから。
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January 10, 2020

【568】死を想う。

僕には定期的にこういう時期がある。ふと気がつくと自分の死について想い巡らせてばかりいる時期だ。定期的にと書いたけれど、それがどのぐらいの周期で前回はいつだったのかというようなことを明確に言うのは難しい。ただ、いつも、気がつくと自分の死について想い巡らせている。こういう状態がいわゆるうつ病などの精神疾患とされるものと地続きなのは間違いないと思うし、事実、僕も20代や30代のころは診察を受ければ何かしらの診断が下っただろう症状を呈したりもしていた。

しかし、今は違うように捉えている。譬えて言えばこの時期は、ある特別な季節のようなものだ。こういう季節がある。こういう季節が時々巡ってくる。そしてこういう季節にはこういう季節なりの必然性がある。だから、この時期の状況を「何かに囚われている」などと言った文言を使って健常ではないという意味合いで「治すべき不具合が出ている」と捉えるのは間違っている。

もちろん若かった僕がそうであるように、死に至る危険性のある季節であるのは間違いないが、乾季には乾季の雨季には雨季の冬には冬の夏には夏の過ごし方があり、それぞれの季節に特有の死因がある。それと同じでこの季節の特有の過ごし方と死因があるだけだ。冬は寒くて凍死者が出るから冬をなくしてしまえというのは間違っている。冬という時期は「本来あってはならない」時期ではない。

季節という比喩が美しすぎるというのであれば、二つの異なるプレートの境界で歪みが蓄積しそれが解放されることで起こる地震をイメージしても良い。プレートが動いている以上、この地震は必ず起こる。そして、地表を変化させる。多くの人が死ぬ。人が死ぬからと言ってプレートを止めることはできない。できるのはどう過ごすかであり、どう過ごしたとしても死んでしまう可能性はある。

端的にいえば、僕はこの死を想う時期を肯定的に捉えている。もちろんとても寂しく、不安が募るが、同時にいつの間にか僕の中に蓄積されていた歪みが解放されて、僕自身の基礎が変化する時期だとも感じている。少なくとも僕は定期的にそういう時期を過ごしてきたし、それは必ずしも悪い時期ではなかった。

過ごし方も特別なことは何もない。ただ、いつもより少しゆっくり過ごしたほうがいい。空の青がやたらときれいに見える。コーヒーが甘く感じる。

January 7, 2020

【567】作文環境。

長年愛用してきたMacBook Air(mid2012)亡きあと、最近のタイピング環境。



・マシン:dynabook T452/33HWJ(2013年製)

友人に寄贈いただいた。ただCPUがCeleron ULV847とやや非力。8GBにメモリは増設している。

・OS:Cloudready(ChromeOS)

WindowsやmacOSと比べて軽量軽快。ブラウザベースなのでできることが限られるが、今の僕のニーズでは十分。HomeEditionは無料。
https://www.neverware.com/freedownload

・テキストエディタ:Writebox

最近見つけたスグレモノ。テキスト入力だけの単機能のウェブアプリ。ダウンロード不要。以下のURLにアクセスするだけで使える。
https://write-box.appspot.com/

Celeronマシンでは、ChromeOSと言えどもグーグルドキュメントの日本語入力の反応が悪くてストレスがあったのだけれどWriteboxは快適。

Writeboxの設定は、こんな感じにしている(上の写真の見た目)。
・文字色 薄めのグレイ
・背景 黒
・文字表示サイズ 18pt
・フォント serif
・line height 1.6
・width 800
・Show StatisticsとShow Scrollbarのチェックボックスは外す

というわけでこのエントリーをこの作業環境で作成。もっと長文でもおそらく問題なさそう。