ゆっくり読んでいる。どれぐらいゆっくりかというと一日一行とかそういうレベル。
本来のタイトルである「幾何学的秩序に従って論証されたエチカ」にあるように、記述は「幾何学的」である。例えば三角形を僕たちはかんたんに思い浮かべることができるが、定義しようとすれば、「三角形は、同一直線上にない3点と、それらを結ぶ3つの線分からなる多角形。(ウィキペディア「三角形」)」といった感じになるように、まず語句の定義から始まっていく。
第一部
定義一
自己原因とは、その本質が存在を含むもの、あるいはその本性が存在するとしか考えられないもの、と解する。
語句の定義というのは世界の土台の構築だから、この語句の並びによって世界ができあがっていく。
「自己原因」というちょっと変わった語句から始まっている。でも実は、他の「本質」や「存在」「本性」も「考えられないもの」も僕が知っている語句ではあるけれど、「自己原因」と同じぐらいの不明感がある。どういうつもりで「本質」なのか、どういうふうに「本質」なのか。「考える」とはどういうことなのか。少しずつ消化していく。
たぶん、そんなに複雑なことを言っているわけではないはずだ。
「ただ在るとしか言いようのないそれのことをそれ自体の原因があると言おう」
〈強酸性〉の日本語に溶かし込んでしまえばたぶんこんな程度だと思う。こういう意味のことを、そういうふうに記述するということに、意味以上の意味がある。
ナメクジのように読む。楽しい。
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