昨日から言葉の表出冬合宿2020が始まる。
合宿はこれで10回目らしい。5年前の2015年夏に言葉の表出合宿の前身となるフリーキャンプをやっている。そういうことをオープニングミーティングで主催の美緒が話してくれた。
自分でなにかをやろうと思うとき僕は大体そうなのだけど、これは絶対おもしろいからみんなも絶対面白がるはずだと思っている。5年前のフリーキャンプもそうだった。結果は、惨憺たる物で、僕以外の主催者二人が途中で精神的にダウンする羽目になった。何をしてもいい。どこにいてもいい。いつ来ても、いつかえってもいい。連絡すら必要ない。誰がいつやってくるかわからない、何をしだすかわからない、そんな状況を「運営」することに大きな精神的負荷がかかるとは、僕は予想していなかった。まるっきり逆のことを考えていたからだ。このやり方なら、準備も計画も必要なく、やりたいことはなんだってできると。
281時間に及んだフリーキャンプは途中で企画としてはほとんど崩壊して、僕だけが取り残されたように一人楽しんでいた。かなり寂しい経験だった。その寂しさは子供の頃から慣れ親しんでいたそれだった。
寂しいけれど、今となっては貴重なことだ。今となっては、多くの人に、それをやっていてよかったという印象を与えるだろうと思うが、当時はそうではなかった。
こういうことと書くことは僕の中で重なり合っている。
今、どうであれ、それを書いておく。それは後になっても読むことができる。
合宿の初日は初日の雰囲気があって、それが僕は好きだ。何かが始まっているけれど、まだほんの少し空気が変わったようなじんわりしたものに過ぎない。残ってしまった残務を先に片付けながら、少しずつ特別な何かが形をとっていこうとしているのを見ている。
合宿の二日目は二日目の雰囲気があって、それが僕は好きだ。そろそろ戻れないところまで来ている。港は見えるけれど、小さくなっている。湾の腕から逃れていく。左手あたりに見えている灯台が、背後に移っていく。
毎日少しずつ変わる月のように合宿は進む。
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■近々開催のまるネコ堂の催し
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●定期:文章筋トレ
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●月一回(単発参加可能):『言語にとって美とはなにか』ゼミ(全13回)
大谷美緒主催
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●文章面談
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●雑誌『言語7』(在庫僅か)
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