フェイスブックでタイムラインをなんとはなく見ていると、安倍さんの写真がいくつも目につく時がある。
スクロールさせてざっと眺めているだけだと写真ばかりが目に入ってきて、
なんとなく「安倍さん、なんかやってるな。活動してるな」という印象を持つ。
でも実は、そういう安倍さんに関する投稿のほとんどは「左」よりの人から流れている。
同様に、最近はちょっと下火なんだけど、蓮舫さんの写真が目につく時期があった。 「あ、蓮舫さん、なんか頑張ってるな」と思ったりしたのだけど、
そのほとんどは「右」よりの人の発信だったりする。
こういうことは他にもあって、三浦つとむさんの『日本語とはどういう言語か』という本は、文字通り日本語はどういう言語かについて書こうとしている本なのだけど、読んでるうちになぜか英語に詳しくなったりする。
ずっと苦手というか、よくわからなかった英語の時制について、この年になってようやく腑に落ちたのだけど、それはこの本のおかげだ。
アンチ巨人ファンが妙に巨人軍に詳しいというのも聞いたことがあるし、こういう現象にはすでに名前がついているのかも。
一見逆効果な気がするのだけど、三浦さんの本はともかく、たしかに安倍さんに興味をもつのは「左」よりの人だし、蓮舫さんに興味をもつのは「右」よりの人で、そういう意味ではターゲットと商品が合っている。安倍さん(あるいは蓮舫さん)に関する情報は、反安倍さん(あるいは反蓮舫さん)な人が購入する商品で、その商品(情報)を売るために当人の写真をたくさん露出させる。
人に何かしらの行動を促すものは、必ずしも「自分と同じ嗜好や思想」という親和性だけではなくて「自分と逆の嗜好や思想」という疎外性も含まれるというだけのことなんだけど、とてもきれいに逆広告しているようにみえるのは面白い。