まるネコ堂1階の工房に作品展示をして「まるネコ堂ギャラリー」としています。
常設展示は2ヶ月おきに展示替えをしています。6月・7月は今井雅子さんの『我が家の北向きの裏庭』の展示中です。
絵画というか、布に描いてある絵なのですが、壁にかけて展示しています。
展示の詳しい説明は、大谷美緒のブログを御覧ください。
https://mio-aqui.blogspot.com/2021/06/blog-post_29.html
作者自身によるステートメントにある、
なかなか手をつけられないものの、気になるこの庭のことを作品の題材にすることで、腰を据えて関われそうな気がしました。
という部分が面白いなと思います。
表現というのは、趣味的で、非現実的、非生活的なものではなくて、とても切実なものだと僕は思います。少なくとも「自分にとって」は切実です。この作品はそんな切実さから生まれているのだと思うと、いろいろと興味深く見ることができます。
作品上部、いろいろな形の屋根がひしめき合っているのを俯瞰で描いている部分と、その下にある「イタチ」や植物との関連はどういうことなのか。あるいは、屋根を俯瞰で見ているということがどういう気分なのか、などなど。
ギャラリーは10時頃から16時ぐらいまででしたら、だいたいいつでも「開店」状態で、僕か美緒がいることが多いですが、留守にしている場合がありますので、遠方より来て頂く場合は、事前にご連絡いただくほうが良いと思います。
8月29日の展示最終日は、今井雅子さんも在廊予定です。ぜひ、足をお運びください。
■会場
まるネコ堂(京都府宇治市)
■会期
2021年7月1日(木)〜8月29日(日)
■時間
平日10:00ー16:00は通常空いていますが、
不在や催しのため対応できない場合がありますので、ご連絡の上お越しください。
土日祝も可能な場合がありますのでお問合ください。
■今井雅子さん在廊日
8月29日(日)10:30ー16:00
※お申込不要でお越しいただけますが、人数把握などのためご連絡いただけるとありがたいです。
■申込・連絡先
mio.yamane@gmail.com (大谷美緒)
今井雅子さんのステートメント
我が家にはリノベーションした際、建ぺい率の関係で生まれた北向きの裏庭があります。広さは三畳分くらいです。京都市内の住宅が密集した地域のため、隣家の壁に挟まれています。
庭らしく整えたいと思い、大雑把ながら土壌改良して、園芸品種の花の種を播いたりしましたが、芽は出ず、元々自生していたシダがぐんぐん伸びただけでした。そのまま持て余していたら、ある年の夏にはイタチが2匹現れるようになって、あたふたしました。
なかなか手をつけられないものの、気になるこの庭のことを作品の題材にすることで、腰を据えて関われそうな気がしました。
2020年10月から2021年5月にかけて、庭の移ろいを丁寧に眺めました。
気付いたことは、この庭が秋の終わりから春の始めにかけて思いの外、植物の緑鮮やかな空間になるということでした。街に緑が少なくなる寒い時期に、この庭の生き生きした植物の存在は、嬉しいものでした。シダが枯れて広くなった空間に次は背丈の低い植物が葉を広げる。そんな移り変わりが次から次へと続くのでした。
この作品には、庭がリノベーションによって生まれた2016年から2021年5月までが描かれています。
2021年6月23日 今井 雅子