夜中に目が覚める。3時53分。僕はアクション映画が撮りたくなっている。
消しゴムマジックとかAI加工を駆使すれば、特撮とかスタントとかしなくても面白いのが作れるのでは?
悪い癖だ。多分ストレスだろう。心配事が多い。そういう時に僕はよくこういう事を思いついた。実行に移せばそれなりに楽しい事を僕は知ってる。
虎ちゃんが飛んだり跳ねたりする。葉ちゃんやアラタが追いかけたり追いかけられたりする。
僕は、僕がもうそんな事をしない事を知っているつもりだが、いつまでもやれる方策を練ってしまう事も知ってる。
最近、音声入力を使うようになった。紙にざっと書きたい事をメモしておいて、それを見ながら音声で入れる。
書く事の神秘的な力が失われるような寂しさと怖さとそれに見合う快適さがある。でもこのエントリーはフリックで入れた。
虎ちゃんの退院が近い。虎ちゃんと呼吸器との相性が、微妙に、良くないらしく、虎ちゃんが眠るとアラートが鳴り続ける。
バイタルに問題はない。原因を調査しているがよくわからない。アラートの設定を調整して鳴らなくする方向での対処になりそう。
虎ちゃんは機械に頼って生きている。
虎ちゃんだけじゃなくて、僕もそうだ。機械が無くなって生きていられる人類はとても少ない。
この間、鼻の吸引をしたら、全然吸わない。どうしたかなとカテーテルを引き抜いたら、巨大な、スライムみたいな、ネバネバの鼻水が、カテーテルの先に付いてズルズルと引き摺り出されてきた。
大人の人差し指くらいのが引っ張り出せて、気のせいか、いつもは嫌がって泣く鼻吸引なのに、すっきりした顔をしていた。
美緒が僕と結婚する前、いや、付き合う前だったか、僕と交換日記をしていた。その日やらなかった事を書く交換日記だ。美緒が持ちかけたか、僕が持ちかけたかした。
そのころ美緒の文体に僕が出会ったが、僕の今の文体を見て、僕はそれを思い出した。カナダから戻って間がなく、美緒は日本語が怪しかった。
今は僕は、この文体が楽だ。日本語が僕は好きだ。何でも受け入れてくれる母語だ。
隣で葉ちゃんが寝てる。僕の右眼の目元の所に目ヤニが付いてる。左眼も付いてる。指で取った。涙だった。