友達のさとしが好きだと教えてくれた、たつるんの『呪いの時代』。面白かった。
相手を傷付けるための「呪い」言説では、たとえそれが「正しく」て「頭が良さそうに見えた」としても、世の中は良くならない。というのは本当にそうだと思う。
特に政治、この国をなんとかやっていこうということに際して、口喧嘩的な相手をいかに貶めるかという言説が今もタイムラインを流れている。
内田樹はわかりやすく「贈与」をテーマに据えてくれているけれど、その根底にはやはり語法があるように僕は感じる。
頻出する「敬意」がそうで、敬意を持った語法では呪いようがない。
内田樹自身が言うように「この本の中で別に新しい知見を語っているわけではない」。ただ語り口が呪いではなく贈与であるのだ。