January 6, 2017

【383】久しぶりにラーメンズ「銀河鉄道の夜のような夜」。

ラーメンズと言えば傑作「銀河鉄道の夜のような夜」。

傑作すぎて途中で見ていられなくなる。何かがギリギリまで張り詰めていく。この張り詰める感じは宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」と同質のもので、予感と予兆、つまりあらかじめ起こってしまっていることへ向かってしまわざるを得ない感じと兆しの密度だ。


コント中盤でお母さんの声が舞台全体に響いて、しかもなんとも怪しく、本当にそれがお母さんなのか、本当にそこにいるのかわからない感じで演出されているのだけれど、これは僕が宮沢賢治の原作を読んだときに像を結んでいたお母さんの声やその「見えない姿」と極めて似ている。
この物語はそもそも誰の物語なのか、誰が生きているのか、そういうことがあやふやなものとして、しかしあらかじめ起こってしまっている。


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