1月28日の「読む・書く・残す探求ゼミ」は、けんちゃんがしばしば見せる鋭いひらめきによって急遽ドラッカーの『非営利組織の経営』第1章を読みました。
この本は昔読んだ記憶があるのですが、その時以上に刺激的でした。こんな本だったのか。
ドラッカーがどのような意識で、どのような人に向けて、どのような世界を志向し、この本を書いたのか。
成功が絶対的善であること。
成功とそれ以外は明瞭に二分法で峻別されるということ。
そのような世界認識によって「非営利組織」では(であっても)、「機会」すら選択的な対象としてリーダーが決める。
20世紀的なアジテーションを思わせる壇上の演説めいた文体は、翻訳家の意識によって選択されたものかもしれないけれど、だとしたら翻訳家にはドラッカーの意識が忠実に浸潤していたのだと思う。リーダーたちのリーダーたるドラッカーの「カリスマ的」リーダーシップに貫かれた文は、圧倒的な力強さによってあらゆるものを押し流し、読者はその快感に浸ることができてしまう。
このドラッカーの意識によってアメリカの医療や教育機関、そして「非営利組織」たちは現在果たしてどんな情況になっているのだろう。たしかに「成功」はしたかもしれない。けれども、それはその組織のはじまりからどれほど隔たったのだろう。
いいタイミングで読んだなと思いました。