通信環境が悪い(低速)からか、ネットの利用法がどんどん遡行する。
結局、検索で調べ物をするのが一番である。知らない言葉をちょっと調べるとか、作ったことがないレシピをちょっと調べるとか。これが一番役に立つ。だいたいの事項についてのだいたいの内容が手軽にわかる。
知識に対するアプローチのタイプで言えば、辞書をひくとか、図書館で調べ物をするとかと同じで、知りたいと思うことを引っ張ってくるプル型である。ちっとも先端的じゃない昔ながらの知である。
フェイスブックやツイッターといったSNSは、知りたいとも思わない情報を手元に押し付けてくるプッシュ型で、最初はこれぞインターネットという感じがするのだけれど、割と簡単に飽きる。もともと知りたいとも思っていないことなんだから飽和する。プルより新しいといっても、テレビCMやダイレクトメールと同じ程度の新しさと軽薄さである。組織されない羅列の噴射である。
出会いはいつでも、プッシュである。〈始まる〉とは〈向こうからやってくること〉である。しかし、それは始まりの一瞬で、継続していくのはプルである。プルの方が長い。興味というのはプルを維持すること。引っ張り続けることである。
ネットにはだいたいのことについて、だいたいのことが書かれていて、簡単に取り出せる。しばらく引っ張っていると、限界がくる。それ以上のことが知りたくなる。自分で試して検証する。このあたりから俄然面白くなってくる。
いずれにせよ、ネットは検索が良い。検索ぐらいが良い。手軽が良い。それがネットの良いところである。ネットの楽しいところである。