August 26, 2020

【740】『ゲンロン』を読む。

相変わらず本を読む。

ゲンロン』の第Ⅰ期、1から9と0を揃えてせっせと読んでいる。今日的な問題を取り上げて日の当たる場所に並べていく作業は見た目以上にとても力がいる。そういった作業は、それそのものである今日的な問題にすぐさま突き当たるからだ。『ゲンロン』が巻き起こしていく「炎上」は、今日的な問題の在り処をしめす狼煙のようなものなのかもしれない。

『ゲンロン7』に掲載された、國分功一郎、千葉雅也、東浩紀の鼎談が良かった。三人それぞれが異なる立場にありながら、同じような領域を観ている。意見が合うことよりも異なることが価値を生み出していくという、当たり前のことを、可燃性の強い今日的問題のなかで語っているのに素直に魅了される。こういうことは書かれている/話されている表象から感じる以上に難しいことだと思う。とてもいいと思う。

『ゲンロン』のおかげでプラープダー・ユンのようなタイの作家を知れたのは嬉しいことだった。もっと読むことができるといい。

スピノザがあちこちに出てきた。同じくスピノザについて書いた國分功一郎『中動態の世界』の講読ゼミをこのタイミングでやれたのはとても幸運だ。幸運だと思えるということはギリギリだということだ。言い換えれば半分弱は失敗している。ゼミは来月最終回。

涼しくなると寂しい気分とともにたぶんもっと本を読みたくなる。


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●定期:文章筋トレ
隔週の水曜午前、月一回の土曜午後
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●まるネコ堂芸術祭、準備ページ
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●9月まで月一回:『中動態の世界』ゼミ(全9回)
https://marunekodosemi.blogspot.com/2019/12/32.html

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●雑誌『言語7』発行
https://gengoweb.jimdofree.com/



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