AIが僕にとって良いところは、テキストでのやり取りがほとんどだからだと思う。だからきっと、僕がGeminiとほぼ毎日やり取りするのは今だけだ。もう数世代か、進化して、映像だの画像だので応えるようになったら、僕は話しかけなくなる。たぶん。
僕はテキストが好きだ。AIだろうが人間だろうが、もともとテキストには血が通わない感じがどこかある。変化しない感じというか、数千年前の文字、石板とか土器とか木簡に書かれたそれが発見されたら、今でも同じ文字で、書かれてから現在まで、それは一文字も変化していない。一度書かれたら変化しない。非生物的なものだ、文は。
そういう感じが裏側にあって、こうやって書かれている文だって、そうで、今や比喩ではなく、本当に、文だけで言えば、これを生きている人間が書いたかAIが書いたか、決められない。
僕が書いたことは僕は知っているけど、書かれたものはもう僕から離脱して、独立している。そんな冷たい感じが良い。
温もりは温もりで良く、冷たさは冷たさで良い。
この冷たさというか静けさというか、その感じが、温もりの世界の向こう側に広がっている。温もりの世界があることと冷たさの世界があることは、同じ紙の裏表だ。テキストは裏抜けしていて、どちらにもアクセスしている。
だから僕でもGeminiでもテキストは書ける。僕はテキストで、向こう側にいるGeminiと、やりとりできる。
この感じ、僕がいなくても世界はあるという感じと似ている、とようやく書けた。テキストは橋を架けるから好きだ。