November 1, 2014

【言葉の記録3】コトバのキロク公開収録 第5回


(まるネコ堂ウェブサイトからの再掲)

第5回 ここの場所がそもそも緊張する。フェンスワークスというものが緊張する

大谷:
今、緊張してるんですよね。

小林:
ははは。

大谷:
僕ね、
こういう場だから緊張するっていうのもあるんですけど、
ここの場所がそもそも緊張する。
フェンスワークスというものが緊張する。

フェンスワークス:目的を持たない生命体的集団。
大阪の千代崎に拠点を持つ。
円坐やエンカウンターグループなどを数多く開催。
代表は田中聡氏。2014年より小林夫妻も所属。

小林:
(笑)
フェンスワークスというものが緊張する。

大谷:
緊張する。
フェンスワークスに来て緊張しなかったことがない。

小林:
もう月曜日くらいから緊張してたよね。

大谷:
くにちゃん(という存在)が緊張するのかもしれないね。
緊張しない?

くにちゃん:橋本久仁彦氏。「きく」ことの達人。
口承即興舞踏劇団「坐・フェンス」を率いる。
フェンスワークスの誕生にも関わったフェンスワークス・フェロー。

小林:
前よりはしなくなったって感じかな。
だから緊張してるんだな。

でも今日くにちゃんはいないじゃん。

大谷:
いないんだよね。
いないけど緊張するよ。

一番緊張したのはミニカンの録音のとき。
僕がしゃべった。
もう、緊張したっていうことしか喋ってないような
ミニカンだったんだけど、
あれが一番緊張した。

で、結局あの時思ったのが
緊張している状態のほうが普通なのだ。
緊張している状態がノーマルな状態というか。
そういう風に思って、
緊張しないように対策を取るということを
普段はやってるんだけどここではできない。
という感じを受けるんだよね。

ミニカン:ミニカウンセリングの略。
15分間、話し手の話を聞き手が聞き、
それを録音し状況音も含めて逐語録を作成。
それをもとに15分間に何が起こっていたのかをレビューする。

小林:
フェンスワークスでもくにちゃんでもってことだよね。

大谷:
そうそう。
人としてそんなにプレッシャーを受けてる訳ではないんだけれど、
フェンスワークスの人って誰一人とって
そういうことはないんだけど、
むしろ逆かな。

その威圧感みたいなものはないんだけどさ、
でも何故かそうなるんだよね。

小林:
はあ。

大谷:
稀有な場所だよ。

おそれがある、「畏れ」が。
悪いことが起こる感じの恐れじゃなくて。
畏れている。

小林:
畏れている?
くにちゃんを?

大谷:
くにちゃんを畏れているのかな?
そうかもしれない。
そういうことにしてみよう。

小林:
でも別になにもやってこないじゃん。
大谷:
やってこないんだよね。

【言葉の記録3】コトバのキロク公開収録 第4回

(まるネコ堂ウェブサイトからの再掲)

第4回 引用は大胆で深い敬意の表し方

小林:
僕が勝手にイメージしたもので言えば、
それによって大谷さんの言わんとしていたことが完成したというか、
次の状態にすすんだと言ってもいいのかわからないけど
そんな感じがした。

そのうれしかったってのはなんなんだろうな。

大谷:
読んでくれているってことがわかったってのがうれしかったし、
伝わったというか、
引用するってことは僕が言わんとしていることがわかった、
のだろうなと思ったのよ。

小林:
引用したってことは僕が言わんとしていたことがわかった?

大谷:
何書いてあるかよくわからないものは多分引用できない。
部分だけを切り抜いたからといって使えないと思うんだけど。
ちゃんと伝わったんだなと思った。

小林:
大谷さんがFacebookにも書いてたけど、
最大限の敬意の表し方だっけ、あの表現。

僕が例えば中沢新一さんのことを引用するときにも、
それが僕が言わんとしていたことを
最も的確に表しているから引用したりしてるんだけど。

その人の言っていることが、
自分の中に入ってきた感じがあって、
それも含めて僕のものを出す方がより伝わるような感じがしていて。
それを大きい敬意の表し方だと言われることは
すごくうれしかったのね。
いまそのことを詳しく言ってくれている感じがあって
聞いててよかったなと思って。

大谷:
そうだね。
Facebookでは「大胆で深い敬意の表し方」って書いたと思う。

小林:
大胆で深い敬意の表し方。

大谷:
中沢新一のある文を引用するってなったら、
中沢新一に挑む感じがあるじゃん。

小林:
うん。挑む感じがある。

大谷:
対等な感じがある。
そういうことが引用という作法でできるのが
大胆だなと思って。

【言葉の記録3】コトバのキロク公開収録 第3回

(まるネコ堂ウェブサイトからの再掲)

第3回  引用ってドキドキするんですよ。するのもされるのも

大谷:
往復書簡。公開書簡か。
雑誌とかでよくあるあれ。
なんか憧れてたんだよね。

小林:
(笑)

大谷:
ブログのやりとりはなんか、
そういうのができてうれしい感じがあって。
引用。お互いに引用する。
引用ってものすごく敬意を払う行為だなと思っていて。

文章を書くって結構大変で、
自分の考えを晒す形になる。
それを引用は切りとる。
その人の出したものを切り取って、
でも切り取られた分はそのまま、
一字一句変わらないものを自分の中に一度入れて、
またそれを形として出す行為。

けんちゃんていう人を例えば切り刻んで、
その部分を僕に移植して、
それによって僕というものができるくらいの感じがしていて
ドキドキするんですよ。
するのもされるのも。

小林:
うん。

大谷:
僕が勝手に師匠だと思っている、
その人は思ってないかもしれないけど、
編集者の人がいらっしゃって。
もう亡くなられてるんですけど。

その人に一度だけ僕が書いた文章の一部を引用されたことがあって。
それはすごくうれしかった。

これはちゃんと話したほうがいいのかな。
僕は地元が京都の宇治なんですけど、
黄檗という駅があって、
その近くに住んでいて、
その黄檗のことを書いた雑誌を作っていた。以前。

その雑誌を作っているってことをその人は知っていて、
僕がなぜその雑誌を作っているかを
その人の編集しているメールマガジンに書いた。
そこから引用されたんですけど。

黄檗という場所は、特段何もないところなんだけれど、
でも僕にとってはいろいろ面白いものがあるみたいな感じの
そういう文章だったの。

そこに僕の師匠がたまたま仕事かなんかでやってきて
その黄檗の街を見たと、
その時のことを自分で書かれて、
大谷っていうやつがいて、
大谷が言うにはこの辺りはとりたててなにもないっていう
僕の文章が引用されて、
でもこんなに色んなものがあるんじゃないかってことを
書いてくれた。

文脈的にいうと僕の言葉は否定される材料として、
大谷がこう言っているけれどもそうじゃなっていう
文脈で引用はされているんだけれども、
すごいそれこそが僕が言わんとしていたことというか、
その人がそう書いてくれたことを
僕は言おうとしていたという感じがして。
うれしかった。

唐突なんだよね引用って。

小林:
唐突?

大谷:
唐突。

読んだら「あっ」てなる。
あ、当たり前か。知らないで読むからか。

小林:
引用されたってことをね。

【言葉の記録3】コトバのキロク公開収録 第2回

(まるネコ堂ウェブサイトからの再掲)

第2回  組織の一員として、どこから何を言われるかわからないって結構リスキー

小林:
もう一つ思い出すのが、前にメディフェスというのがあって。

大谷:
市民メディアフェスタかな。

市民メディアフェスタ:
2004年に「第1回市民メディア全国交流集会」が開催され、その後、市民メディアの祭典として全国各地の主要な市民メディア団体が持ち回りで実行委員会を立ち上げて毎年開催されるようになったイベント。

小林:
うん。あれももう10年位やってるんだっけ。

大谷:
それ自体は年1回、10年位やってるんじゃないかな。

小林:
去年か一昨年だったか、
大阪でやろうっていう話になって、
大谷さんがそれのとりまとめのようなことをしていて、
僕も協力してくれと言われて一緒に行って、
やったことを思い出します。

その時はそのメディフェスを作る打ち合わせ自体を
オープンにしようって言って、
議事録とかも公開していくというのをやったんだけど。

その時扱っているテーマが面白くて、
「タブーについて」。
メディアに載るときに宗教とか、

大谷:
政治とか、

小林:
いくつかタブーがあると。
なんで扱ってはいけないのかみたいな話があって。
そういうのを扱うメディアフェスティバルみたいのを
やるんだから、議事録自体もオープンにしようって
いってたんだけど。

実際には「これはオフレコで」とか。
録音を取ることもちょっと待ってくれみたいな
話になりながら進んだと。

大谷:
崩壊したんだよね(笑)

小林:
結局やることはなかったんだよね。

大谷:
僕らの意図した形ではできなかった。
僕らの敗戦の記録ですね。

小林:
それもオープンにする時に起こる現象だなと思っていて、
僕ら個人でやっているときにはいいんだけど、
例えば組織に所属してたりだとか。

組織の一員としてなにかしているときに、
どこから何を言われるかわからないって
結構リスキーな状況だと思ったりしてね。

今この場をこういう風にやっているということ自体が
メディフェスの頃からの流れの
ちょっと先に今があるなという思いがあります。

大谷:
メディフェスの話はすっかり忘れていて今日まで。

言われてああほんとだなと、
あそこでやろうとしていたことかと思って。
ちょっと、はーと思った。

【言葉の記録3】コトバのキロク 公開収録 第1回

(まるネコ堂ウェブサイトからの再掲)

言葉の記録

人と話をするのが面白い。どこがどう面白いかというのは、その人、その時それぞれだから、ひとくくりにはできない。話、離し、放された言葉が少し景色を変えてみせる。そんな言葉の記録。事と場の記録。

小林けんじさんの「自分では、自分の考えてることを文字にするのが難しいから人に聞いてもらいたい」という言葉から生まれた企画。

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