May 8, 2020

【691】「と」を「や」に。

書籍タイトルのパロディで、たぶん15年ぐらい前に目にしたものだと思うのだけど、これ以上のものはないだろうというものがあって、実際、これ以上のものは、まだ知らない。

『戦争や平和』

もちろんトルストイ『戦争と平和』のパロディだ。衝撃だった。

このとき以来「と」と「や」は僕の中でクルクルと変わる。

通常、「意識と無意識」「日常と非日常」といったように「無、非」などは、もともと在る「正」との対置としてある。これを「意識や無意識」「日常や非日常」とするだけで、その対立関係は溶解する。「と」を「や」にするだけだ。それだけで少し世界が変わる。

あたかも単独で存在するかのように思っている言葉が実は、そもそも対置されるものとのセットとして存在していたりする、というようなことに気がつく。対立は、いつ、誰が作り出していることになるのか。そんなことを考える。


さて。

今日一日ぼーっとすることができた。
芸術祭は終わった。
次のシークエンスに向かう。



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