書籍タイトルのパロディで、たぶん15年ぐらい前に目にしたものだと思うのだけど、これ以上のものはないだろうというものがあって、実際、これ以上のものは、まだ知らない。
『戦争や平和』
もちろんトルストイ『戦争と平和』のパロディだ。衝撃だった。
このとき以来「と」と「や」は僕の中でクルクルと変わる。
通常、「意識と無意識」「日常と非日常」といったように「無、非」などは、もともと在る「正」との対置としてある。これを「意識や無意識」「日常や非日常」とするだけで、その対立関係は溶解する。「と」を「や」にするだけだ。それだけで少し世界が変わる。
あたかも単独で存在するかのように思っている言葉が実は、そもそも対置されるものとのセットとして存在していたりする、というようなことに気がつく。対立は、いつ、誰が作り出していることになるのか。そんなことを考える。
さて。
今日一日ぼーっとすることができた。
芸術祭は終わった。
次のシークエンスに向かう。