言葉の記録
小林けんじさんの「自分では、自分の考えてることを文字にするのが難しいから人に聞いてもらいたい」という言葉から生まれた企画。
梅田純平さん
演劇好きで年間200回以上観劇している梅田純平さんが最近、役者としてデビュー(森林浴『変身テトラポット』)。自然と演劇の話になっていきました。思っていることを臆すことなく素直に話す。一般に言いにくいことでもスルッと話す。するとその一瞬鋭く景色が切り裂かれて、今まで見えなかった世界を見せてくれる。それが梅ちゃんの魅力です。https://twitter.com/YELL_JUN
聞き手・まとめ 大谷隆、撮影・文字起こし 山根美緒
収録日:2014年8月15日、場所:まるネコ堂
梅田:最近上手く喋れなくなってきたのは、コミュニケーションって単語。みんなコミュニケーション大切ですねとかコミュニケーションって必要ですねって話をすんねんね。どこに行っても。演劇でもそうやし。仕事でも、みんなゆうわけですよ。
じゃあそもそも論としてそのコミュニケーションってどんなことが必要とされているのか。お喋り上手であればいいのか。すっごい笑顔だったらいいのか。見た目からにじみでる、清潔感みたいなものとか、誠実さみたいなものであったりを手に入れればいいのか。それって土台無理な話をすっごいしてて、もうすでに魔法的なものになってる。
それで逆に、私、人と関わるの苦手なんですとか。表現するのが苦手なんですとか、自分のテリトリーというか、自分を守ろうとする人がいる。でも一人では生きていけないから、誰かを巻き込みたい。そこで「私、コミュニケーション能力がないんです」っていう入り方をしてくる。いやいや、あるやんと。今自分、俺に話しかけてるやんと。
大谷:僕の中での「コミュニケーションが苦手」な人って「本当の私はわかってもらえないに違いない」と思っている人。どんなに変わったこと言ってても、どんなにおかしいこと言ってても、どんなに常識から外れてること言ってても、わかってもらえるだろうと思っている人は、いわゆる「コミュニケーションが苦手」ではない。
梅田:ああ(笑)。なんで距離感保つんかなと思ってて。距離感保つほうが僕にとってはしんどいんやけど。なんでしんどくないんかな。自分のことをあえて言わないとか。自分でそれをようようわかってて距離感をとりますみたいな感じ。あれがね、最近鼻についてしょうがないねん。なんか隠された瞬間、距離ができて、その人と関わるのが僕も嫌になるし。逆にすごく開いてくれてる人なんかめっちゃ関わりやすい。年齢関係なく。男の人であろうが女の人であろうが、素直に思ったことを気を使わずに話ができるねんけど。
演劇をやって同じ座組っていうか。同じグループの人達と結構心理的な話が中心になるわけやん。親子の関係とか、性的指向とか、人間関係のしんどさの部分であったりとかを表現してる内容やからね。だから、もっとそういう話をみんな腹割って話しするんかと思ってたのに、全然・・・
大谷:しないんや。
梅田:全然しない。いや、する人もいるけどしない人の方が多い。で、それで演技ができてしまうんやっていうのが疑問で。
大谷:それで演技ができんの?
梅田:できんねん。でも違和感は半端ないねん。だから逆に僕とかは思ってることをなんでも口にして言うていこうとするけど、やっぱそれを話さんといてください、私の心のドアを開けないでくださいって空気感の人がいて。開けへんねんけどわざわざ。でもノックくらいはすんねん。ノックくらいが精一杯で。で、結局最後まで開けへんかったって人、何人もいる。開けたらちょっとパンドラの箱っぽい人もいるわけ。爆発するみたいな。それはあえて開けてないねんけど。なんか0か1かみたいな人いるやん。
それは僕が思ってた演劇の作り方の像と違った。もっと、ここはこうしたほうがいいよね。ここはこういう気持ちだよね。だからこういう風に僕は返すからあなたこうしてってやりとりがすごい活発に行われるんかなと思ってた。
大谷:そういう、普段表面に出しにくい感覚とか感情とかを、演劇という枠を使うことでさわれるようにするって思ってたけど・・・
梅田:そうそうそう。自分が観てきてもね。この人はやっぱり上っ面ばっかりでやってはるわってのは、演劇にも限らんけどわかる。
第1回 「コミュニケーション能力」はもう魔法的なものになっている
梅田:最近上手く喋れなくなってきたのは、コミュニケーションって単語。みんなコミュニケーション大切ですねとかコミュニケーションって必要ですねって話をすんねんね。どこに行っても。演劇でもそうやし。仕事でも、みんなゆうわけですよ。
じゃあそもそも論としてそのコミュニケーションってどんなことが必要とされているのか。お喋り上手であればいいのか。すっごい笑顔だったらいいのか。見た目からにじみでる、清潔感みたいなものとか、誠実さみたいなものであったりを手に入れればいいのか。それって土台無理な話をすっごいしてて、もうすでに魔法的なものになってる。
それで逆に、私、人と関わるの苦手なんですとか。表現するのが苦手なんですとか、自分のテリトリーというか、自分を守ろうとする人がいる。でも一人では生きていけないから、誰かを巻き込みたい。そこで「私、コミュニケーション能力がないんです」っていう入り方をしてくる。いやいや、あるやんと。今自分、俺に話しかけてるやんと。
大谷:僕の中での「コミュニケーションが苦手」な人って「本当の私はわかってもらえないに違いない」と思っている人。どんなに変わったこと言ってても、どんなにおかしいこと言ってても、どんなに常識から外れてること言ってても、わかってもらえるだろうと思っている人は、いわゆる「コミュニケーションが苦手」ではない。
梅田:ああ(笑)。なんで距離感保つんかなと思ってて。距離感保つほうが僕にとってはしんどいんやけど。なんでしんどくないんかな。自分のことをあえて言わないとか。自分でそれをようようわかってて距離感をとりますみたいな感じ。あれがね、最近鼻についてしょうがないねん。なんか隠された瞬間、距離ができて、その人と関わるのが僕も嫌になるし。逆にすごく開いてくれてる人なんかめっちゃ関わりやすい。年齢関係なく。男の人であろうが女の人であろうが、素直に思ったことを気を使わずに話ができるねんけど。
演劇をやって同じ座組っていうか。同じグループの人達と結構心理的な話が中心になるわけやん。親子の関係とか、性的指向とか、人間関係のしんどさの部分であったりとかを表現してる内容やからね。だから、もっとそういう話をみんな腹割って話しするんかと思ってたのに、全然・・・
大谷:しないんや。
梅田:全然しない。いや、する人もいるけどしない人の方が多い。で、それで演技ができてしまうんやっていうのが疑問で。
大谷:それで演技ができんの?
梅田:できんねん。でも違和感は半端ないねん。だから逆に僕とかは思ってることをなんでも口にして言うていこうとするけど、やっぱそれを話さんといてください、私の心のドアを開けないでくださいって空気感の人がいて。開けへんねんけどわざわざ。でもノックくらいはすんねん。ノックくらいが精一杯で。で、結局最後まで開けへんかったって人、何人もいる。開けたらちょっとパンドラの箱っぽい人もいるわけ。爆発するみたいな。それはあえて開けてないねんけど。なんか0か1かみたいな人いるやん。
それは僕が思ってた演劇の作り方の像と違った。もっと、ここはこうしたほうがいいよね。ここはこういう気持ちだよね。だからこういう風に僕は返すからあなたこうしてってやりとりがすごい活発に行われるんかなと思ってた。
大谷:そういう、普段表面に出しにくい感覚とか感情とかを、演劇という枠を使うことでさわれるようにするって思ってたけど・・・
梅田:そうそうそう。自分が観てきてもね。この人はやっぱり上っ面ばっかりでやってはるわってのは、演劇にも限らんけどわかる。
(第2回へつづく)