August 15, 2014

【008】コンポストに餌をあげる快感

コンポストの主要な餌をつくってくれる猫。
ちょっと変わった寝相。

庭にあるコンポスト、これがもうかわいい。緑色のプラスチックでできたやつ。ポータブルトイレみたいな、パックマンみたいな、上の蓋がパカっと開くやつ。

台所の生ごみ、コーヒー粕とか糠とか卵の殻とか野菜くずとか、あと、猫のうんことか猫のおしっこで固まった猫砂とか、そういうのをパカっと開いた口に放り込むと、次に開けた時には入れたものが少なくなっている。(うちの猫砂はおからでできていて、コンポストに入れても大丈夫なやつ。これに変えたのは正解。)

特に夏場は劇的にあっという間になくなっていく。コンポストがすごい食欲でどんどん餌を食べる変な生き物のように思えてくる。

いや実際、生き物で、口の中をのぞき込むとウジ虫がびっしりたかっていてウジウジゾワゾワとうごめいている。他にもいろいろ目に見えない奴らも含めて生き物たち。そういうのの集合体としての緑のコンポスト。普段は口が閉まっていて中が見えなくて、開けた時にお腹のすき具合が分かる感じも楽しい。

時々蓋を開けっ放しにして、うぞうぞと動いている大量のウジ虫をうっとりと見つめて、どんどん食べろよーと声を掛けたくなる。もうそれぐらいかわいい。

このかわいさ、愛しさは、洗濯物が乾くのと似ているし、育ててもいないのに毎年勝手に生えてくる庭のルッコラにも似ている。僕が一つひとつ何かをしなくても、どんどん勝手に進んでいく。最初にセットするだけで僕と無関係に物事が進んでいく感じは、ほんとに快感。

デヴィッド・リンチが大きなベニヤ板かなんかにジャムとかバターだったかで絵を描いて、それを何日も庭に放置して、ハエがたかったり、カビが生えたり、腐ったりしていくのをコマ撮りして喜んでいたのだけど(今調べたけどこの情報が見つからない)、きっと同じ快感。創造主の快感。

「費やし消える」ことの喜びとはこういうことをいうのであって、お金という数字と引き換えに物体がどんどん増えていくようなのはまったく逆で不快極まりない。


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