August 2, 2015

【214】「書生」生活5日目。

苦手な夏を楽しむための思いつき、
僕の勝手なイメージの中の「書生」生活をやってみます。

■目次
思いついた時のエントリー
【200】「書生」をやってみる。

やってみてからのエントリー
【207】「書生」生活1日目。
【208】「書生」生活1日目その2。
【209】「書生」生活1日目その3。
【210】「書生」生活2日目。
【211】「書生」生活2日目その2。
【212】「書生」生活3日目。
【213】「書生」生活4日目。


===
日に日に目が覚める時間が早くなっていて6時だ。しばらくぼっーとしている。木魚のようなアフリカンの太鼓のような目覚まし時計のような音楽音(おんがくおん)が聴こえてきて隣の隣の部屋だ。ドアが開いていて、こちらもドアが開いているからよく聴こえる。短いフレーズのしつこいリピートが続き、2、3回ほどパターンが変わり、その後ひとしきり盛り上がって途切れる。終わったのかなと思っていると、また最初からはじまる。繰り返す。繰り返す。繰り返す。4回。5回。

寝袋をたたむ。畳の上に種類ごとに並べて置いていた小銭を封筒に入れる。普段小銭は持ち歩かなくて、お釣りでもらうだけでもらったお釣りは家や部屋に戻るたびにポケットから出してしまう。クレジットカードが使えればそれを使うから何かの時の保険代わりにカード類に挟んでクリップで留めているお札すらも出番が少なく、小銭はさらに出番が少ない。小銭の交換価値は持ち歩いていることによって生じるわけで、僕にとって小銭はお金というよりはおはじきのようなものだ。そういえばinteresting男は床に並べられた小銭を見るなり、おまじないですか。

他の荷物もまとめてリュックに詰めていく。キャンプが終わった時と同じ気分がしだす。昨夜洗った甚兵はまだ乾いていない。8時過ぎまでぼーっとするために残っていたショートホープを吸う。

みやこめっせで昨日の分の文を書こうと思ったが書けず、たっぷり時間がすぎる。図書館で書く。イオンに昼ごはんを買いに行く。そばが食べたい。一袋35円+税のそばを1袋、一缶100円+税の缶入りのそばつゆ1缶、58円+税の鶏フライ、68円+税のナス天ぷら、同じく68円+税の磯辺揚げをかごに入れて、ビニールの小袋に入った19円+税の天つゆを見つけて、一缶100円+税のそばつゆを棚に戻す。これでもし、そばが美味しく食べられれば、そばつゆと天つゆの差額、(100円+税)-(19円+税)で81円得したことで計算は合っていますか。あとビフィータを1本。

部屋に戻り、お湯を沸かす。乾いた甚兵を取り込んでリュックに入れる。そばを湯通しして、水で冷やして、つゆはひと舐めすると甘く、舐める前までは天つゆの味を都合よく忘れていて、想像の中ではほぼそばつゆの味と同じになっていたのを思い知らされる。慌てず醤油を足す。食べ終わると、メモを書き、廊下にある共用の掃除機で掃除機をかけ、西側の窓を閉め、廊下側のドアを閉め、鍵を掛け、隣の隣の部屋の前にビフィータの瓶と忘れていったコップを置いて、メモを置いて、自分の部屋のブレーカーを落とした。もうここには戻らない、という気分と、次にここへ来たら隣の隣の部屋に声をかけてみようという気分が同時にする。玄関を出る。

次へ


Share: