August 17, 2015

【219】押し回し理論。

けんちゃんと話している中で出てきたことだけど、本当に何かをしようとするときには「押し回し」が必要だ。

ガスコンロに火をつける時にレバーを押して回すように、ライターの火をつける時にドラムを回してから舌状の部分を押すように、2つのことを同時にやる。

昔、ある年齢ぐらいまでの幼児は、この2つのことを同時にやるというのができなくて、それができるようになった時に、一歩「大人」に近づくという話を聞いたのをずっと印象深く僕は覚えていて、でも今は何でもワンタッチのものが増えた。

ワンタッチのものを「チャイルドレジスタンス」にしようと思うと、ワンタッチと言いながらもう一つ別の操作を付け足すか、そのワンタッチをやたら力がいるようにするかで、前者は電気ポットにあるような「長押しでロック解除」なボタンをつけたり、後者だとやたらと重たいワンプッシュのライターになる。

押して回すという2つのことを同時にやるようなことが、幼児はできない。ある程度の大人になると、自分以外の人に押してもらって、それを自分が回したり、自分以外の人が回してくれるのではないかと思いながら、自分で押してみたり、そして火が付く。

押すという行為の方向と回すという行為の方向が別であるというのがポイントで、2つの異なる方向性を可能にする筋肉と骨の動きが必要になって、ねじれる。このねじれるというところが最近、僕の好きなところ。


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