October 10, 2016

【催し】よその〈国〉の憲法を読む朝


僕たちが、日本人として「日本」という国を思い浮かべたときのあの感じは、他の国の人たちが自分の国について思い浮かべている感じと同じなのだろうか。そもそも、僕たちが「国」といったときにイメージするあの感じは、他の「国」の人たちも同じなのだろうか。

憲法というその国の基本構造となるものを読むことで、そういうことがなんとなく感じ取れるとしたら、これはちょっとおもしろいと思う。

想像だけれど、たぶん「人が集まっている」という、そのことそのものについての感じもきっと違うんじゃないだろうか。僕たちが「共同体」というような言葉でなるべく無味無臭に言おうとしているものは、もっといろんな味や匂いがするんじゃないだろうか。

外国というものがどういうものかを体験するために、僕たちには物理的にそこへ行くという方法がある。それによって僕たちは多くのことを知りうるだろう。

でも、物理的にそこへ行くことではなく、その場所の根幹に触れる体験ができるとしたら、僕たちは「よその国」との関わりのあり方そのものを更新できるかもしれない。

そして〈国〉というものとの関わりのあり方そのものすら更新できるかもしれない。

とにかく憲法を頼りに、よその〈国〉に行ってみようと思う。
世界中を旅し、世界中で暮らすように。

大谷 隆

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他者とともにあるって、どういうことなんだろう。そういうことを、この半年ほど考えていた。

そんな折、みんなで日本国憲法を、バカ丁寧に読む朝があった。改めて読むと、なんとも不思議なテキストなのだ。前文によれば、「日本国民」である「われら」は、「全力をあげて」「崇高な理想と目的を達成することを誓ふ」という。誓いましたっけ?とは言い出せない雰囲気だからまいってしまう。

でも、これがこの国の構成なのだ。望むと望まざるとに関わらず、1946年から現在に至るまで。出生届が役所に提出されたその朝から、自分も諸々誓った日本国民らしい。

憲法とは、Constitutionの訳語だという。contsitutionはconstituteつまりcon〈ともに〉+stitute〈成り立たせる〉の名詞形だ。憲も法も、「おきて」という意味で、日本国憲法と私たちが呼ぶとき、〈ともに成り立たせ〉たものが日本なのだと思い出すことは難しい。それでは本来、Constitution〈みんなでともに成り立たせた国の構成〉ということが、どういうことなのか。

よその国のConstitution、憲法こそ、その手がかりになるはずだ。それを、ともに読んでみたい。
北村紗知子

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よその〈国〉の憲法を読む朝

日時:11月13日(日)10時から13時
場所:スタジオCAVE(大阪市)
主催:北村紗知子、大谷隆
協力:山本明日香、山根澪
内容:まず、この企画について北村と大谷が話してみます。
   その後、いくつかの国の憲法を読んで、自由に話をする時間を持ちます。
参加費:2,500円
定員:8人
申込:フェイスブックで「参加」もしくはmarunekodo@gmail.com(大谷)まで。

参考文献:
・岩波文庫『世界憲法集第四版』
アメリカ合衆国憲法、ベルギー国憲法、イタリア共和国憲法、ドイツ連邦共和国基本法、フランス共和国憲法、ソビエト社会主義共和国連邦憲法、ポーランド人民共和国憲法、中華人民共和国憲法、日本国憲法が収録されています。

関連企画:
7回シリーズ「日本国憲法をバカ丁寧に読む会」
10月13日から全7回で日本国憲法を読みます。会場はスタジオCAVE。



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