August 2, 2017

【397】「言語4」できました。

久しぶりのブログ更新です。ネット環境が低速になってから、ブログを書いたり、Facebookを見たりというのが激減しました。 「言語4」は、吉本隆明「言語にとって美とはなにか」を読む、という特集を組みました。僕と小林健司さんが、言語美について話した11時間分を再構成しています。5万字ほどあります。6月から7月にかけて、この特集原稿にかかりっきりでした。なんとか形になったのは嬉しい限りです。 言語のウェブサイトから注文できます。...

May 21, 2017

【催し】吉本隆明で遊ぼう。もしくは『言語にとって美とはなにか』を読む講座合宿。

吉本隆明についての講座を、それも『言語にとって美とはなにか』をもとにして、やってやろうという、大胆なことを企画しています。僕たちが、言語が面白くてしかたない、と思うようになったのは、この『言語にとって美とはなにか』をゼミで読んだからです。おかげで僕たちは毎日毎日、言語で遊び惚けるようになりました。寝ても覚めても。他のことがろくに手に付かない。他のことと思っていてもどこか言語に結びついている。それどころか、それって言語そのものじゃないの、とすら思ったりするようになりました。言語という場所は、広い場所です。そこで僕たちはいつも思いっきり遊んでいます。面白いことが次々と起こり、それまで面白いと思っていたことが、実はもっと面白かったのだと気づきます。やればやるほど広くなる場所。やればやるほど、もともと広かった場所。この場所で、とことんやるのは幸せです。そんな場所へもし誰かを連れて来れるとしたら、僕たちとともに勝手に遊んでくれる人が増えるとしたら、いったいどんなことになるんだろう。そう思いついて、この企画をやってやろうと思っています。僕たちなりに吉本隆明で思いっきり遊びます。上手にとか正しくとか、そういうことはさほど気にせず。あわよくば、吉本隆明が遊び得なかった遊びをしてやりたいとも思っています。吉本さんも、とともに勝手に遊んでくれるはず。===吉本隆明『言語にとって美とはなにか』を読む講座、合宿で。日時▼2017年6月10日(土)、11日(日) 導 入:10日11時から12時 第1回:10日13時半から15時半 第2回:10日16時から18時 第3回:11日10時から12時 第4回:11日13時半から15時半 第5回:11日16時から18時 懇親会:両日夜。ごはんを食べながら。場 所▼まるネコ堂講 師▼小林健司・大谷隆内 容▼講師のガイドと参加者との質疑などを通して吉本隆明『言語にとって美とはなにか』を読みます。定 員▼8人持ち物▼『言語にとって美とはなにかⅠ・Ⅱ』受講費▼2万円宿 泊▼会場(まるネコ堂)で宿泊。「通い」も可ですが、宿泊をおすすめします。※猫がいます。講座中は会場には入れませんがアレルギーの方は相談ください。講師紹介▼●小林健司(こばやしけんじ)愛知県春日井市出身。大阪教育大学在学中に教育関係のNPOの起ち上げに関わり、卒業後も含めて約十年勤務する。その後、東日本大震災の復興に関連したソーシャルビジネスの創業支援等をする...

May 17, 2017

【396】音がなくなるとき。

そう言えば最近夕日を見てない。いや見てる、と思うのだけど、あの夕日を見ていない。うちの庭からちょうど真正面に見えるあの夕日を見ているときのあの圧倒的な感じをしばらく感じていない。感じたという感じがそう言えばしばらくしていない。あの感じを思い出す。あれはどうなっているのか。あのときの僕はどうなっているのか。よく圧倒的な場面に遭遇したときに「言葉を失う」という慣用句を用いるし、実際何かをしゃべろうという感じ自体がないのだけれど、もう少し僕なりに言うと、あのとき僕は、音がない。音が聞こえないのではなくて、音というものが最初からなかったかのように、音を聞くということそのものがない。このとき、見えているものが通常であれば必ず伴っているはずの、遠近も喪失している。だから、あの夕日を見ている僕は、音がなく、なおかつ、見えているあの夕日との遠近がない。これはあるいは逆なのかもしれない。あの夕日の圧倒が僕と夕日との遠近を消失させることで、音というものが消えているのかもしれない。あるいは遠近と音は同じものなのかもしれない。いずれにせよ、あの夕日を見ているとき、僕はたぶん超越の扉を開けている。超越というのは、この世界の外ということだけれど、僕にとって僕の世界の外に空間的に移動するということは、イメージとしてなかなか持ちにくい。でもこう考えるとわりとイメージしやすい。超越というとき、そのとき僕の世界は、いつもの僕の世界とは、世界まるごと変質してしまう。概念的には、この時、僕だけが僕の世界から乖離しているわけだから、これをうまく言い得る言葉として、超越は、それほどは間違っていない。ふいにもとに戻ると、途端に音でこの世界は満たされてしまう。あっという間に水位が上がって、地の底から空の上まで一気に音で満たされてしまう。水圧のような音の圧力を感じて、あぁ戻ってしまったという気になる。空気があるということを感じる。空気を通して振動が伝わってくる。あの夕日を見ているときのあの感じとそういえば同じ感じだと思うのが、集中して書いているときだ。書けているときと言ったほうがいいかもしれない。パソコンに向かってキーボードを叩いているときがずっとそうなのではなくて、そのうちの、ほんのすこし、断続的なその「とき」がある。声を翻訳するように文字にするのではなくて、声を経由せずにただ書かれたものが現れるような感覚がある。音がないから。このとき僕は、書いているものや書こうとしているものとの合一の一端に、ほんの一端だけど、触れているのだと思う。宗教的合一あるいは信仰的合一と言っているのはつまりこういうことで、この程度のことで、これほどのことだ。少なくとも僕にとってここに歴史や思想や意義や正しさや安らぎや伝統や古さや新しさや生や死が入りこむことはない。ただ僕が僕の世界から乖離している。...

April 19, 2017

【395】低速ライフ満喫中。

3月末に自宅のADSLを解約しました。今はfreetelのSIMです。普段は「節約モード」にしていて(速くて)200kbps。時々、必要なときに節約モードを解除して使ってます。というわけで、とたんにブログ更新もフェイスブックも滞ります。 まぁ、こういうものだと思っていて、これで何か都合が悪いかというと、ほとんどありません。いざというときに高速化できるという選択肢があるのは、僕にはとても使い勝手がいいです。 MacBook Airは...

March 14, 2017

【394】ドラマ『99.9 刑事専門弁護士』。仲間とは何か? もう一つの痛快さ。

ドラマ『99.9 刑事専門弁護士』を観た。 例によってけんちゃんが面白いと教えてくれた。 とても面白かった。けんちゃんはいつもいい仕事をする。 「有罪率99.9%という刑事裁判を専門とする弁護師たちの物語」であり、当然主たるテーマはこの高い数字の不自然さ、異常性、その原因である検察の腐敗を描いているのだけれど、僕にはもう一つのテーマが隠されているように見える。このテーマが僕には優れて現代的に思えて、それがとても面白かった。 主人...

March 9, 2017

【393】『この世界の片隅に』は「反戦映画」ではない。

決定的なネタバレを含みます。 『この世界の片隅に』を観た。 終盤のあるシーンまでとても良いと思った。これは良い映画を観たと、あとで思うだろうなと思って観ていた。しかしそうではなかった。 問題のシーンの直前のシーンはこうだ。 すずと周作が原爆が落ちて焼け野原となった広島市内の橋の上にいて、その後ろを「バケモノ」が通り過ぎていく。「バケモノ」の背負う籠からワニが顔を出す。 このシーンで映画は終わるのだと思った。ここで終わって、こ...

March 7, 2017

【392】矛盾の距離。

言葉というのは高濃度に矛盾を含んでいる。許容しているとも言える。 「相手のことを考えなさい」という言葉を発する話者は、その言葉を言う相手のことを考えているようには見えない。どちらかというと自分自身の苛つきや怒りに重心があって、それを相手にぶつけることが主眼になっているように見える。この自家撞着は中距離のループを描いている。つまり投げつける相手を想定し、経由している。 「自由でなければいけない」という言葉は、自由についての言葉である...

March 3, 2017

【391】ダンスのようなもの

ダンスはいいよね。 音楽に合わせてついつい体が動くよね。 踊ってると楽しい気分になるよね。 ダンスって情熱的だよね。 ダンスやりたい...

February 23, 2017

【催し】今週土曜日「絵を描く会」です。

今週の土曜日、まるネコ堂で山根澪の「絵を描く会」です。前回参加して思ったのは、あぁ僕は物心ついたときからずっとこんなふうにしか描けない。小学校や中学校で絵の描き方を何か習ったような気がしたけれど、ちっとも上達なんかしていなかった。ということでした。正直、自分が絵を人に見せるなんてことはこれまで脳裏の片隅にもなかったし、そもそも絵を描くということは僕にとって遠い遠い霞んだ景色なのですが、それでもまぁいいやと描いたものを見せること...

【390】「読む・書く・残す探求ゼミ」のサイトができました。

「読む・書く・残す探求ゼミ」のサイトです。 小林健司さんがサイト制作をしてくれました。 「書く講座とは」のページで バカ丁寧に読むだけで 世界は驚くほど豊かになる と、小林健司さんが書いているのですが、これは本当にそうで、たったそれだけのことをやってきたのでした。 この講座、ひたすら読んでいるのですが、不思議な事にこの講座に来てくださった人が「書く」ようになったりします。 それぞれの人が、自分にと...

February 19, 2017

【389】『言語3』できました!

『言語3』納品されました。大谷が連載していた『書かれたものはその時点での書いたものの死体である。』は今回で最終回です。小林健司さんの『人と言葉の関係論』はいよいよ佳境を迎えた感じで、これまでコツコツと築いてきた基礎の上にいよいよ独自の世界がたちあがります。人の認識とはどうなっているのか。そこに言語はどう関わっているのか。この号だけでも面白いと思います。おすすめです。 ご注文はウェブからどうぞ。https://gengoweb....

【388】アンチな広告。タイムラインを流れる安倍さんと蓮舫さん。

フェイスブックでタイムラインをなんとはなく見ていると、安倍さんの写真がいくつも目につく時がある。 スクロールさせてざっと眺めているだけだと写真ばかりが目に入ってきて、 なんとなく「安倍さん、なんかやってるな。活動してるな」という印象を持つ。 でも実は、そういう安倍さんに関する投稿のほとんどは「左」よりの人から流れている。 同様に、最近はちょっと下火なんだけど、蓮舫さんの写真が目につく時期があった。 「あ、蓮舫さん、なんか頑張って...

February 6, 2017

【催し】言葉の表出、夏合宿2017

まだまだ寒いさなかですが、夏合宿のご案内です。 これまでの合宿から一日増やして4日間です。 定員も少しだけ増えています。 合宿の日程中、最初のミーティングと作品を読む時間は一堂に会しますがその間は自由です。仕事に行ったり、人と会ったり、ひたすら寝ていたり、もちろんずっと机に向かったり。 そんなふうにバラバラに過ごしていても、なぜかともにいる感じがするのがこの合宿の不思議なところです。 ともに過ごしている時間を感じられるのはものすごく楽しいのですが、書くということが持っているものすごく怖い感じも同時にあります。 共通であることと独自であることが同時に強く拮抗します。 そんな合宿です。 夏の宇治の蒸し暑さと時折吹く風の心地よさを思い返しながら。 === 夏です。「書く」ことに挑みます。 言葉による表出(表現)に挑みます。「書く」ことです。 小説、詩、随筆、戯曲、映画脚本、評論、論文、歌詞、キャッチコピーなど言葉の表出であれば何でも。 大量の「ナニカ」を費やして、ほんの少しでも表出できたらそれはすごいことだと思います。自分の言葉を自分の表に出すという「契機をつかむ」ことができれば。 1 初日(10...

January 29, 2017

【387】「読む・書く・残す探求ゼミ」でドラッカーの『非営利組織の経営』第1章を読みました。

1月28日の「読む・書く・残す探求ゼミ」は、けんちゃんがしばしば見せる鋭いひらめきによって急遽ドラッカーの『非営利組織の経営』第1章を読みました。 この本は昔読んだ記憶があるのですが、その時以上に刺激的でした。こんな本だったのか。 ドラッカーがどのような意識で、どのような人に向けて、どのような世界を志向し、この本を書いたのか。 成功が絶対的善であること。 成功とそれ以外は明瞭に二分法で峻別されるということ。 そのような世界認識...

【386】「読み明かす会」のはじまりに寄せて

トップページにいきなりけんちゃん(小林健司さん)と僕の名前が出てきたのもあってドキドキしている。あぁこんなふうに思ってもらっていたのかとうれしい。海底深くもぐっていくイメージは本当にそうで、そうそう、そうなんだよという気分になる。そう書いてくれていることにうれしい。 そのあとを読んでいくとそのうれしさを追いかけるように焦りが出てくる。すでに、こんなにも鮮やかに文字にできていることに嫉妬が交じる。そして改めて「読み明かす」なん...

January 19, 2017

【385】freetelの「節約モード」でGoogleドキュメント。

freetelの節約モード。 MacBook Airをテザリングで使った場合。 使用スマートフォンはPuriori3 LTE。 (2017年1月19日時点) できること ・Googleドキュメント ・Googleスプレッドシート ・Bloggerの投稿(画像を扱わない場合) いずれもMac版Google Driveはインストールせず、ブラウザ(Chrome)上での動作。 最初の読み込みに時間がかかるけど作業自体は問題なさそう。 ...

January 14, 2017

【384】「日本国憲法をバカ丁寧に読む会」第4回の感想。

7回シリーズで行っている「日本国憲法をバカ丁寧に読む会」。 第2回の第一章天皇、第二章戦争の放棄の感想は、こちら。 第3回の第三章国民の権利及び義務の感想は、こちら。 第4回(2017年1月12日)は、第四章国会。 無味無臭の手続き感に裏返された思想性 第三章までは思想性とも言うべき、「良いこと」への方向感が濃厚にあった。例えば、 第十一条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。 など。日本という...

January 13, 2017

【催し】「ぼくたちの一年会議」のご案内

日程を毎週水曜日に変更しました。(2017年4月18日追記) === 小林健司と大谷隆が続けてきた「会議」はちょっと変わっています。 一年ほど前、二人で「ナニカ」をしようという漠然としたスタート地点から、ほとんど毎週、ただカフェでお茶を飲んだり、河原でお酒を飲んだり、ときには全く何も話さない「会議」をしてきました。他の人からはただダラダラしている二人組にしか見えず、とても会議をしているとは思われなかったでしょう。自分たち自身でさえ...

January 6, 2017

【383】久しぶりにラーメンズ「銀河鉄道の夜のような夜」。

ラーメンズと言えば傑作「銀河鉄道の夜のような夜」。 傑作すぎて途中で見ていられなくなる。何かがギリギリまで張り詰めていく。この張り詰める感じは宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」と同質のもので、予感と予兆、つまりあらかじめ起こってしまっていることへ向かってしまわざるを得ない感じと兆しの密度だ。 コント中盤でお母さんの声が舞台全体に響いて、しかもなんとも怪しく、本当にそれがお母さんなのか、本当にそこにいるのかわからない感じで演出されて...

January 5, 2017

【382】無題

「言葉の表出、冬合宿2016」で僕が書いた文章です。 === 大谷 隆 もうこれでおしまい。たったいま書き終わった。書き終わる直前は息が止まっていて、とてもくるしいからもうこれ以上無理だと思う。けれどまだ書き終わっていないから終わらないと思っている。息の根が止まらないとと思う。息ができなくてくるしいのに息の根が止まることを望んでいる。のは困る。といっても息を止めていることなんて思ってもみないのだから困っていることも思ってもみない。...

January 2, 2017

【催し】『無為の共同体』ゼミ

おかげさまで満席となりました。 以後キャンセル待ちにて受付いたします。=== 研究のためでもなく仕事のためでもなく「ただ読むこと」を通して本を体験します。 ジャン=リュック・ナンシー『無為の共同体』 アマゾン http://amzn.to/2hJpGCT 第1回 2月11日(土)  第一部 無為の共同体 46ページ 7行目まで 第2回 3月11日(土)  第一部 無為の共同体 46ページ 8行目から第一部最後 第3回 4月8日(土)  第二部 途絶した神話 第4回 5月20日(土)  第三部 「文学的共産主義」 第5回 6月3日(土)  第四部 〈共同での存在〉について 第6回 7月1日(土)  第五部 有限な歴史 各回 13時から17時ごろ 参加費:6回通し 15,000円 各回単発3,000円     もしくはそれに準ずるもの。 場所  まるネコ堂(京都府宇治市五ケ庄広岡谷2-167) http://marunekodoblog.blogspot.jp/p/blog-page_14.html 定員  5人程度 申込:大谷...

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