March 24, 2016

【318】タランティーノ『ヘイトフル・エイト』を観て。

クエンティン・タランティーノ『ヘイトフル・エイト』観ました。上映中の映画なので、ネタバレ注意です。



タランティーノは1ミリたりとも動いていない。むしろより中心部に凝固していく。もはや様式美と言っていいほど洗練されていて「静謐さ」すら漂っている。まるで小津安二郎のように。

タランティーノは映画でしかないことをやっている。映画でしか「できない」のではなく、映画でしかないこと。幸福な映画監督だと思う。

今回は馬がいい。馬車がいい。革と鉄の時代を描いている。よさそうな革のコート着てるなぁとか、あのブランケットいいなぁとか、いちいち物が重たそうなのがいいなぁとか。

いつもの胸焼けするようなケチャップ血糊もたっぷりだけど。

あと、最終章の直前にワンカットかワンシーンか飛んでいるように思う。予想だけど、ウォーレンがドメルグに銃を向けて「動くな!」と叫び、他の人間の動きが止まる描写が要る気がする。撮影はしたけれど、つないでみたらいまいちだったということだろうか。もしくは僕が何か見逃してるのかもしれない。でもまぁ、そんなことはどうでもいい。

ただただ、映画を観たなぁという気分です。





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