特に秀逸だと思ったのが、新R25じゃないけど、これ。
「あの見城徹に普段聞かないようなことを聞いてみた(怖いので覆面で)」(spotlight)
渡辺氏は一見、道化を演じているように見える。コワモテのイメージがある見城徹にインタビューするのは怖いから覆面だとできるかも、というのはおそらく最初の思いつきとしてあったのだろうけれど、そんな思いつきだけでは記事になるどころかインタビューも受けてもらえない。
この記事が秀逸なのは、見城徹氏はたとえ相手が宇宙人のマスクをかぶっていようが、おどけた変装用のメガネをしていようが、真正面に質問に答える人物なのだ、ということがわかるからだ。それが記事の内容と見事に合致している。755で質問に答える見城氏について、
渡辺:ただ、僕らから見ていてもびっくりするくらい濃い内容というか、誰よりも長文で丁寧に返信しているのが印象的で。
見城:そうだね。知らない人であろうと、孫みたいな年齢の人であろうと、自分に敬意があろうと無かろうと、とにかく誰であっても心を込めて返信しようと思ってやっていて、そうするとやっぱり長くなるんだよ。これはもう体質かもしれない。
渡辺氏はそこまで見城氏を読みきった上でこのインタビューを企画し、記事として成立させた。「自分に敬意があろうと無かろうと、とにかく誰であっても」という見城氏の答えを見越した上で〈たとえ宇宙人であっても、そうなのだ〉という仕上がりになっている。
同様な立ち位置は、新R25の
「なんでそんなに嫌いなの? ホリエモン VS 週刊誌記者(っぽい編集長)イタコ対談!」
これでも見て取れる。堀江氏の週刊誌嫌いを把握することはもちろんだが、「いや、好きなことをやれればそれでいい。それだけ。」という堀江氏の主張を、そのまま〈自分が面白いと思うからやりたい〉と自分の側に的確に反転させることによって、企画を成立させている。これをやられたらホリエモンも面白がるし断れないのではないかという確かさを企画にし、あとはそれをどこまで突き通せるかだ。
こういったインタビュー記事は誌面になる前の原稿段階でインタビュイー(インタビューを受けた人)に事前確認をとるものだけど、そのとき渡辺氏はきっとこう思っているのではないか。
「より面白くなるような修正は歓迎します。ただし、もしも少しでも無難な方向に修正しようとしたら私はあなたを見損ないます。」
仕上がりはとても軽くポップなのだけど、そこにはそこでの闘いがある。
ついつい渡辺氏のnoteを購入してしまった。
ついつい渡辺氏のnoteを購入してしまった。