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この汚いノートが無いと大変困る。 |
第3回の芸術祭で「アイデアノート」という作品を作りました。それまでノートを上手く使うことができなくて、何度も挫折してきたから、いっそ作品としてノートに関して思いつくことを一通り全部試してみることにしたら、これがよかった。
今ではノートはいつも傍にあって開かれています。
「アイデアノート」では、ものすごくページ数の多いノートやA2サイズの巨大なノートを試した。書き方も思いつくことはみんな試した。切ったり貼ったり、刻んだり穴を開けたりした。
そうやって、ノート自体や使い方に関して色々試した結果、僕が手に入れることができたのは、そもそもノートというものに対して、僕自身が、このようなものであって欲しいと願っていたノートについての原初的なイメージでした。
僕はノートは、堆肥のような雑多な栄養の元のようなものであって欲しい。
日々の膨大な考え事や、自分を取り巻く出来事、それらの気になった断片を溜め込んで、掻き回したり、並べ直したりするところ。
書き付け、読み、書き足し、書き直しながら、何かのきっかけがあればそこから芽生える。
ノートはそんな場所であって欲しい。
作品制作も仕事で書くことも話すことも、だから今はノートで始まります。ノートの中で、少しずつ形を取りながら、変形していく。やがてノートから飛び出して、独立する。
作品や書いた文章や話した事は、出来上がると僕からは離れていくけれど、ノートはいつまでも僕の傍にある。開いていない時も何となく、くすぶっている。