どんな病気でもそうなのだけど、何が怖いかと言うと適切な医療が受けられないことだ。新型だろうが何だろうがそうだ。
たとえ「パンデミック」になったとしても、医療がパンクしてしまうほど「急激に」感染者が増えなければそれほど大問題にはならない(というようなことが例えばこのあたりで議論されている)。
こういうことは別に病気だけの話ではなくて、今回の政府指針にある「時差通勤」という対策の対象となっている「通勤ラッシュ」というもの自体が「短時間のうちに急激に乗客が増えることで列車の輸送能力を超えてしまう」事象で、そもそも乗客需要が緩和されれば大した問題ではない。
似たようなことは山ほどあって一般化すると、
1 短期的な大規模需要によってシステムが許容値を超えてしまう。
2 それによってクオリティが低下する。場合によっては麻痺する。
これに対症療法的に対応してしまうと、
3 だから需要の最大値に合わせた大規模なシステムを構築しなくてはならない。
4 そうするとピーク時以外のほとんどの時間は能力が余剰になってしまう。
5 最悪、システムの維持コストが大きくなりすぎて運用を継続できない。
となってしまう。
元を正せば、単にピークを緩和すればいい。そのための対策はたいてい地味だ。でもそれで、社会はずっと楽になる。モバイル通信、電力、プライムデー、クリスマスケーキなどなど。
緩やかに息長く。