過去の文章筋トレから。
2020年2月5日。10分+45分。
原本はノートに手書き。
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特に書くことがない。と、あえて書いてみる。書くことがないなら、書かなければいい。実際、書くことがないときの多くは、書かないでいる。それでもわざわざ書くことがないと書くのは、書かなければならない状況にあるからだ。
いや、正確には書かなくても良いのだけれど、一応書くことになっているだけだ。こういうとき、以前ならとても焦った。
「こういうとき、以前ならとても焦った。」と書くと、やはり少し焦ってしまう。でも今は、たいして焦らないというか、逆に面白がれるようになった。
「逆に面白がれるようになった。」と書いたら、胸が締め付けられるような感じが消える。書くことがないのに、書き続けるのが面白くなってくる。できるだけここに留まってみよう。
書くことはつくづく余計なもので、「ない」こと自体から
(ここまで10分)
書くことはつくづく余計だというのは、「書くことが無い」ということですら、書くことを誘い出してしまうし、でしゃばってくるようなところがある。無ければ無いで良いはずなのにそういうわけにはいかないところがある。
どうしてこんなことを書いているんだろう。すぐに思い当たるのは「書きたいことなんてないんです」や「何を書いていいのかわかりません」といった言葉に対する「そこじゃない感」をどうにかしたいのだろう。
書きたいことがないなら書かなくても良いのだが、書くということは、そもそもそういう話ではない。書きたいことがあれば書けば良いのだけれど、これすらも、書くということの芯に当たっていない。そういう感じがするのをどうにかして、書いておきたいのかもしれない。
「何を書いて良いのかわかりません」なんて、どんなに書くのが上手な人だって、本当にはわからないで書いている。こういうことも書くということの芯から外れている。
書くことの基礎を単純な欲求や快楽や必要や必然に求めようとする気持ちがちょっとずれている。「ある一つの点に集約させてしまいたい」「集約してくれないと困る」、そういう叫び声に聴こえてくる。
書くことは集約されていく方向の運動ではなくて、湧出していく方向の運動なのだと思う。書くこととは何か? と問いたい欲求に対して、書くことでいったいどんなことが起こるのだろう? という複数の可能性の、答えという終着点ではなく、始まりのことなのだ。頑張って書いたけれど、ものすごくわかりにくい文章になった。
もう一度トライする。
書くということがどういうことか? という問題系が、ただちに持ってしまう方向性は、「書くことはこれこれだ」という「解答」へ向かう気分である。しかし、実際のところ、書くことがどんなことになっているかと言えば、それは、そこから何かが始まってしまうような、そこから始まってしまうような「開始」であって、「ここからどこかへ」という気分なのだ。
書くことに答えを見つけようとしても、書くことは何かをはじめてしまう。
書くことは引き起こしている。ある体験をしたとして、それについて書くというのは、その体験を保存すると同時に引き起こしてもいる。
生きていくことをなすがままにしておきたい人にとって、これほど気に触ることもないだろう。体験をなすがままにしておけばいいのに、それをわざわざ保存し、それどころか引き起こしてしまうのだから。書くことに対するアレルギーはたぶんこんなところから出ている。何かのタブーに触れている。
書くことがなくて書かないで済むならそれはそれで良い。うかつに始めてしまったら、厄介事が増える。だから書いてしまう。
一部の人はそんなふうに、その他の人の気に触る。厄介事も増やしてしまう。書くことは増やしてしまう。なにかと。
(45分)
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