まるネコ堂はよく合宿をやる。最近はあまり言われなくなったが、以前はよく「家でイベントとして人を呼んで合宿するなんて大変じゃないか」というようなことを言われた。
最近あまり言われなくなった理由は、たぶん、以前よりも僕や美緒が大変そうじゃなくやっているからだろう。そして実際、大変ではない。ある意味では、合宿をしていたほうが楽だったりするぐらいだ。
その理由は、表題にも書いたように「自宅で合宿イベントをやっているのではなく、合宿所に棲んでいる」という意識だからだと思う。
合宿に限らず、講座や各種イベントのほとんどを「自宅」でやっているように見えるが、正確に言えば、それらの催事が可能な施設に僕たち家族が棲んでいるのだ。そこに僕たち以外の人が加わって催事として成立している。
これは気の持ちようといったレベルではない。本当に僕たち家族は、言ってみれば、一年三六五日、合宿しているようなものなのだ。そこへ時々、僕たち以外の人が加わって、合宿の遂行人員が一時的に増えているだけ。人が増えれば合宿に必要な作業負担が分散化するので、その分楽になりさえするというふうに。
言い方を変えると「合宿という非日常を(頑張って)やる」のではなく「日常生活の方を合宿にしている」のだ。
もともと僕は、「マイホーム」「我が家」といった言葉が内包している安らぎや帰る場所といった意味合いを「家」というものにあまり感じていなかった。僕の安全が確保される場所という意味では「家」にそれほど特権的な位置はない。低コストではあるが、他にも選択肢はある。学生時代は、週末ごとにアパートを抜け出して近所の河原で車上泊をしたりしていた。
僕がまるネコ堂の設備を整えるのは、合宿所の機能向上として有意義だと思うからだ。優れた合宿所は、僕の生存を継続しやすくなるという意味合いにおいて重要で、僕の生存が維持しやすいことと、僕以外の人の生存が維持しやすいことにそれほど大きな違いがあるとは思っていない。
なんらかの理由でこの場所を立ち去ることになれば、また別の場所で、その場所に適応した合宿所を作ろうとするだろう。
「僕が生きる」ことと「僕が生存する」ことには違いがあるのだけれど、いずれにせよ「家」という概念で語られるものの中軸にある「生活の中心性」が必須に組み入れられるほどの強度を持っていない。僕がもっと若く独身であったら、格安のホテル暮らしとかAirbnbを駆使したりしている気がする。所有したくないという欲求に素直に従っただろうからだ。
それは僕が今、車を持ちたいと思わず、積極的にタクシーを使うのと同じぐらいの意味合いで、そうなる。車が持つ程度の「移動の自主所有性」が「僕が生きる」ことにも「僕が生存する」ことにもそれほど影響を与えないように、家が持つ程度の「生活の中心性」が影響を与えないのだろう。
その割に、僕も美緒もほとんどまるネコ堂から出ることなく生活しているのは、それぐらい合宿所として高レベルに有用だということだと思う。とても使いやすい。少なくとも生存はたやすく継続でき、それぞれの合宿者が合宿所においてやりたいと思うことはもうだいたい実現している。
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■近々開催のまるネコ堂の催し
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●3月20日から24日:言葉の表出、春合宿2020
https://mio-aqui.blogspot.com/2020/01/2020.html
●7月28日から8月1日:言葉の表出、夏合宿2020
https://mio-aqui.blogspot.com/2020/01/2020_28.html
●3月29日(日):山本明日香レクチャー・コンサート
https://marunekodoblog.blogspot.com/p/blog-page_24.html
●定期:文章筋トレ
隔週の水曜午前、月一土曜午後
https://marunekodoblog.blogspot.com/p/blog-page_26.html
●9月まで月一回:『中動態の世界』ゼミ(全9回)
https://marunekodosemi.blogspot.com/2019/12/32.html
●月曜午後のzoomカフェ
https://marunekodoblog.blogspot.com/p/zoom-httpszoom.html
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マンツーマンの文章面談
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大谷隆 marunekodo@gmail.com