March 22, 2015

【104】良い河原は宝である。リビングであり、カフェであり、劇場である。

奥が大川。
大阪市内で一番好きな場所。
河原の良さはぱーちゃんも書いているけど、僕も書いておこう。

良い河原は宝だと思う。

おしゃれなカフェよりもスタイリッシュなリビングよりも河原がいい。

京都府宇治市に住んでいるけれど、仕事の関係で大阪に行くことが多かった。

大阪だとJR桜ノ宮から天満橋あたりにかけての大川端がいい。特に帝国ホテルの近くに円形劇場っぽい場所があって、ミヒャエル・エンデの『モモ』の舞台を思わせる。階段状になっていて、僕は一番上の段に座って、ただ川のほうを見続ける。

視界の右端から中型犬を連れた女性が入ってくる。犬に引かれるようにあちこち歩きながら円形劇場の真ん中に少しずつ近づく。

その背後、左側からかご付きの自転車に乗った女性、その後を子供用の自転車に乗った男の子が追いかけていく。

画面の左下の一番下段にはいつのまにか背広のサラリーマンが足を組んで座っていてスマートフォンを覗きこんでいる。

若い女性2人がコンビニの袋を下げて歩いてきて階段を降りる。右側の下段に座るとペットボトルのお茶を飲む。

最初の犬を連れた女性は、今ちょうど画面左側にはけていくところ。

空を見上げると飛行機がやけに大きく飛んでいる。

演出家が見えないところから熟練の役者一人ひとりに厳密なキューを出していて、絶妙なタイミングで絶妙な日常的風景が繰り広げられる。そんな恐ろしくリアルなお芝居に見えた。

僕はただボーっとしているという役を与えられている。この役に関しては僕は自信があって、今日も完璧に演じきって、タイミングが来たから舞台から消える。いつもそう思ってそこから離れた。


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