第5回 沖縄の名もない無人島で25年間暮らしてる爺ちゃん
この前テレビで、沖縄の名もない無人島で25年間暮らしてる
爺ちゃんみたいなのがいて、
すっぱだかでずっとくらしてんの。
台風とか来てもテントを木にくくりつけて。
大谷:
テントでくらしてんの?
小林:
うん。テントだった。じっと中で耐えてね。
で、また落ち着いたら魚獲ったり、雨水溜めて水作ったり。
それ、なんでやってるかって、テレビのクルーがきいたら、
人間関係がとことん嫌になって、
ここなら誰とも関わらなくて生きていけるからって選んだって。
小林:
うん。テントだった。じっと中で耐えてね。
で、また落ち着いたら魚獲ったり、雨水溜めて水作ったり。
それ、なんでやってるかって、テレビのクルーがきいたら、
人間関係がとことん嫌になって、
ここなら誰とも関わらなくて生きていけるからって選んだって。
大谷:
あぁ、うん。
小林:
そこまでいくと完璧にピラミッドから外れてるじゃんか。
でもそこまでやんなきゃだめで。
しかもそこまでやったにもかかわらず、
ある日、その人75歳とかそれぐらいなんだけど、
60歳ぐらいの人が噂を聞きつけて隣の島に来たんだって。
でもう、最初は絶対やめてくれって言って、
人間関係嫌でここに来たのに、
ここで人間関係に悩まされたら最悪だと。
小林:
そこまでいくと完璧にピラミッドから外れてるじゃんか。
でもそこまでやんなきゃだめで。
しかもそこまでやったにもかかわらず、
ある日、その人75歳とかそれぐらいなんだけど、
60歳ぐらいの人が噂を聞きつけて隣の島に来たんだって。
でもう、最初は絶対やめてくれって言って、
人間関係嫌でここに来たのに、
ここで人間関係に悩まされたら最悪だと。
大谷:
せっかく一人なのに。
小林:
で、ずっと拒否してたんだけど、その来た人も食い下がって、
隣の島に住んでるんだよね。
干潮になると島がつながって渡れるぐらいの距離。
小林:
で、ずっと拒否してたんだけど、その来た人も食い下がって、
隣の島に住んでるんだよね。
干潮になると島がつながって渡れるぐらいの距離。
大谷:
一応、渡れるんだ。
小林:
でもさあ、面白いなと思って。
なんかテレビで見てる限りはさ、
もともといた25年住んでる爺ちゃんも
まんざらでもない感じなんだよね。
隣に来た人が何もわかってないからさ、
台風の時どうしたんですかって、
その新しく来た人に聞くと、
いやちょっと近くの島で避難してました、
って全然軟弱なの。
大谷:
(笑)
小林:
で、それを報告しに行ったら、お前また逃げたのか、
そんなんだからいつまでたってもダメなんだって怒ってるんだけど、
ちょっと弟子と師匠みたいな感じでさ。
ま、そりゃそうだよなと思って。
人が久々にきて、しかも一緒に自分に憧れているとか、
そりゃうれしいよな。
なんかそんなのを思ったりして、
網野善彦は関係性の中で人間ていうのは生きている生物だから、
そもそも関係性がありきなんだみたいなことを言ってるけど、
ほんとにそうだなと思って。
網野善彦:1928年生まれ。日本史家。
専攻は日本中世史、日本海民史。非農業民や海民など漂泊民のいきいきとした力強い暮らしの様子を膨大な史料を丹念に読み解くことで浮かび上がらせた。著書『無縁・公界・楽』など。
で、ピラミッドの話でいうと、どんなに外れようと思っても、
そこにまで来るわけよ今。
アフリカの奥地とかアマゾンの奥地の部族ですら、もう無理で、
そのピラミッドと切り離した生活っていうのは、
絶対どっかで影響受けるから、
ピラミッド本体の直接の影響じゃなくても。
そことどう折り合いつけて生きてくかみたいなことが、
重要な、そこ考えないと無理な状況。
それ事実だから、最近はそこにどう触れに行くかとか、
どうやったら自分が傷まずにそのピラミッドの中に入って、
こう体を痛めたり怪我をしなかったりできるのかとか。
大谷:
うんうん。
小林:
前、フェンスワークスで話してた時は、
ピラミッドのことをメインストリーム、
本流に喩えてたんだけど、
下手に手をバンって突っ込むとすごい持ってかれて、
全身ずぶ濡れになる。
恐れてちゃぷんてつけるだけだったら
全然潤わなかったりする。
だから、出来るだけ接触の仕方、技術を身につけて、
ちゃんと自分が潤いたい分だけ潤って離れる。
そういう考え方になってきた感じがあるかな。
大谷:
そうか川の流れか。
けんちゃんも似たようなことを考えるんだな。
でも譬えが違うんだな。
小林:
技術を身につけたからって、
それでもアマゾンで稼げばアマゾンを潤わすっていう事実に
変わりはないっていうか、
そのピラミッドに加担している事実自体は変わらないんだけど、
その構造自体を見た上で
自分がやるかどうかはまた別の話だなと思って。
小林:
前、フェンスワークスで話してた時は、
ピラミッドのことをメインストリーム、
本流に喩えてたんだけど、
下手に手をバンって突っ込むとすごい持ってかれて、
全身ずぶ濡れになる。
恐れてちゃぷんてつけるだけだったら
全然潤わなかったりする。
だから、出来るだけ接触の仕方、技術を身につけて、
ちゃんと自分が潤いたい分だけ潤って離れる。
そういう考え方になってきた感じがあるかな。
大谷:
そうか川の流れか。
けんちゃんも似たようなことを考えるんだな。
でも譬えが違うんだな。
小林:
技術を身につけたからって、
それでもアマゾンで稼げばアマゾンを潤わすっていう事実に
変わりはないっていうか、
そのピラミッドに加担している事実自体は変わらないんだけど、
その構造自体を見た上で
自分がやるかどうかはまた別の話だなと思って。
(第5回へつづく)