September 7, 2014

【011】そばを塩で食べる食べ方

美味しいからといって毎日打ってると
みるみるうちに体重が落ちて危険。
そばは塩で、というとちょっと気取った感じに聞こえるけれど、今回は、そういうことではないような、いや、やっぱりそういうことなのかもしれない話。

うちではちょくちょくそばを打って食べる。これが結構美味しいのだけど、最初はうまく打てなくて、結構苦労した。

そばはとても繊細なというか厳密な料理で、例えばそば粉に対する水の割合がとてもシビア。うちで使っている粉の場合はだいたい43%ぐらいなんだけど、季節によって3%ぐらいは変動する。1%違うだけで、生地の状態が見た目に変わるし、茹で上がった時に誰の目からも明らかなぐらい違ってくる。1%っていうと二人前300グラムの粉に対して3グラム。うちのデジタルのはかりだと最小単位が2グラムだから、ほんとに微妙。それで大きく状態が変わる。

食通というのは一般人では識別できないような微妙な違いを食べ比べる、みたいなイメージがあるけれど、そんな大層な話ではなくて、もう誰が見ても一目瞭然。ヘタすると茹でてるうちにぶつ切れになって、スプーンで掬って食べないといけない。

粉の種類や状態でも加水率は大きく変わる。切り方の太さや湯で時間、茹でる鍋の大きさ、そんなものもいちいち大きく影響するとても厳密な食べ物。

そんなわけで、今でも毎回同じようには打てなくて、いつも違ってしまう。
だから、今日の出来はどうだろうかと最初の一口は自然とつゆを付けずに食べてみて、工程上、何が影響してこうなったかを考えることになる。何も付けないのが美味しいからするわけではなく、単純に今日はどうだったかを知りたくて、それが一番良くわかるからなんだけど、時々すごく香りがよく出来ていたりすると、もう少しこの香りを味わいたいと思うことがある。そういう時につけづゆは香りが強すぎるから塩で、ということになる。

基本的にそばはつけづゆで食べるのが一番美味しいと思う。
塩で食べるのはあくまでも「いい香りでうまく打てたそばをもうちょっとその香りを楽しみながらそこそこ美味しく食べたい」から。

で、塩で食べようとすると、ここで問題が発生。
そばを塩で食べるうまい方法がわからない。

平たい小皿に塩を乗せて、そこに箸ですくい上げたそばの先を下ろして、ちょっと塩が付く感じにして、それを口元に持って行ってすするんだけど、まず、適当な量の塩が適当な場所につかない。多すぎたり少なすぎたり、先すぎたりする。次にすするときに、うまくすすれない。つゆが付いてないから摩擦が大きすぎて、もぐもぐと食べることになる。何より、箸からそばがだらんと垂れた状態での移動量が大きすぎて食べにくい。

盛ったそばの上から先に塩をふりかけてしまえば塩の量や移動距離は解決できるかもしれないけど、そうすると全部を塩で食べないといけなくなるし、すするときの問題は解決されない。

どうやればそばを塩でうまく食べられるんだろう。
どうやればいい香りでうまく打てたそばをもうちょっとだけその香りを楽しみながらそこそこ美味しく食べられるんだろう。


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