September 17, 2014

【言葉の記録2】小林健司さん 第6回

第6回  構造というか本質的な仕組みは大企業と同じ

大谷:
けんちゃん、最初、
お金を稼ぐことを考えてるって、言ってたけど、
このピラミッドの中にいる人が
「お金を稼ぐことを考えている」って言うのと
違う感じがするなぁと思って。

小林:
そうだね。

大谷:
今までけんちゃんの話を聞いてきてわかったけど、
ぱっと最初の言葉だけ普通に、
僕の固定観念で聞いてしまうと、
このピラミッドの中でスーツ着た人たちの
「お金を稼ぐことを考えてます」っていう言葉と
全く同じ言葉なんだなぁ。

僕ら経済がないとたぶんこういう暮らしはできない。
お米が届くとか。
自分で作ってないお米が届くのは経済だから。
そういうのには乗っかってる気はして、
それはもう否定はできない。
それこそ無人島に行くとかしないと。

小林:
うん。

大谷:
でも、僕は、位置としては
このピラミッドのてっぺんより上にいる感じなんだよね。
この人達が頑張って作ったピラミッドによるインフラの上にいるけど、
ただピラミッドの論理から離れている時間帯があるっていう感じだね。
あと、経済じゃない別のピラミッドもどこかにあって、
そこへ行くとそれによる強固な体系があったりするんだろうなって
思ったりもする。

小林:
そうだね。
この前、話を聞いたんだけど、
100人ぐらいが住んでいる村があって、
そこでは塩と油以外は全部自給自足で賄ってるんだって。
食べ物とか衣食住。
でも月に一人あたり4万ぐらい現金が必要って言ってるから、
それなりにいろいろ買ったりするんだとは思うんだけどね。

大谷:
うん。

小林:
聞くとそこの農業の仕方とか技術とかすごい進んでると。
自然農法とかやってる。
でも話し聞いてくと、いろいろ、
組織の中のいろんなルールがあるわけ。

それはそれでそれがいいと思ってやってるんだったらいいけど、
夜に8時ぐらいから長い時は1時とか2時ぐらいまで、
それこそ円坐みたいな感じで話すんだって、ずっと。
何を話すのっていったら、
その日起こったいろんな出来事に、
どんな意味があったかを話すと。

たとえば車をどっかにぶつけたとかだったら、
それは自分にとってどういう意味があって起こったのかって。

それ聞いて、ものすごくめんどくさいなー、と思って。
その話し合いで1時2時までやられたら、
僕はたまらない・・・

大谷:
それはみんな好きでやってんの?

小林:
まぁ知らないけどね。どうなんだろうね。
でも、たぶん、僕がそこに行っても居れないと思うんだよね。
しかも、入るときに全財産、預けるんだって。預けるというかあげると。
それさ、大企業に入ってんのと変わんないじゃんと思って。
構造というか本質的な仕組みとしては。

そこの村の場合は、先に全部預けて、
その代わり膨大にかかるいろんな生活コストだったり、
そこから生まれる環境への負荷だったりを
限りなく抑えた状態で暮らせますよっていう
安心みたいなものを担保してるわけだよね。

企業の場合は、毎月お金が得られるけど、
自分がその構造に乗っかることで会社が得たお金を
分配してもらってるわけで、
構造として似ている。

大谷:
あぁ、うん。

小林:
環境への負荷とか、貨幣の使用量をどの程度にするか、
という違いはあるけど、事前精算か都度精算かぐらいの話で。
どちらにいるとしても安心を得ているわけで、
そこにいる限りは絶対食いっぱぐれないという。

経済から外れるって言うと例えば自給自足とか、
環境負荷が少ないとか、
そういうエコとかそういうような暮らしとかを想像するけど、
それとは直接的に関係ない気がしてて、
その村にしても、塩と油は買ってるんじゃん。
乗っかってんじゃんって。

大谷:
そうだよね。

小林:
だから、結局、
例えば信仰とかミッションが先にあるのか、
自分とか人が先にあるのかでずいぶん違うよねっていう話をしてて。

信仰が先にあると、NPOのミッションと同じだよね。
そこに全部合わせてくわけ、人が、信仰の方にね。
その教えを守っていくことが先に来るから
その場にいる人がどう感じてるかは無視。
だって信仰が絶対的に正しいから。

じゃなくて、その場にいる人とか僕とか自分の中の全体というか、
いろんな全感覚というのをちゃんと大事にしながら生きたいみたいな部分が、
僕とその組織にいる人との違いだなと思って。

そんなようなことを考える夏だったな。


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