【012】無くても死なないもののために命をかけること By Ohtani Takashi 無いの世界 外国人が見た日本の風景、 みたいな写真。 「音楽がないと生きていけない」といったようなことをよく言うけど、これはもちろん比喩で、食べ物や水や空気のように、音楽が無くなると直ちに生命の危険にさらされるようなことはない。音楽にかぎらず芸術や文化というものはすべてそうだ。 飢饉や戦争に対して芸術や文化は負ける。 災害や病気に対して芸術や文化は負ける。 だから、そんなもののために命や人生をかける行為は、生きていくことについてのみ着目すれば、無意味である。 つまり、その無意味さの中にだけ、芸術や文化の核があるということだ。 そんなもの無くても誰も死なないと言われたら、そうだと答えて、それに命をかけているんだとにっこり笑えばいい。それだけの話。 Share: