December 1, 2018

【515】動かすよりも留めておくほうが難しい。(生後86日目)

最近よく、こういうファイティングポーズをとるようになった。
グローブをつけるようになってデビュー戦を目指すようになった、というわけではない。

考えるに、おそらく、腕を「ある位置」で留めておくということができるまでに筋肉や神経伝達の仕組みができあがったということだと思う。腕をブンブン振り回すのは以前からできたが、ここに来てようやく、留めておくということができるようになったわけだ。その筋肉や神経や脳の感じが面白くてやっているのだと思う。

腕にしろ足にしろ、ある位置で留めておくためには、2つ以上の筋肉のバランスを取るということができなければならない。筋肉というのは収縮することしかできない。筋肉は自ら伸びるということが機能上できない。伸びるには、他の筋肉が収縮することによって、引き伸ばされるしかない。そういう一方向的な動きしかできない筋肉を使って、腕をある位置に維持するためには、2つ以上の筋肉の収縮度合いを調整できなければならない。

ということで、新(あらた)は、いよいよ〈保留〉が可能になったということだ。これは重大なことだ。ここから腕のコントロール精度は飛躍的に上がると思う。そして保留ということの意味を知っていく。

物事を保留しておく。どこにも落とさず保留する。よく落っこちていく、ありがちな先は〈腑〉(=特に消化器官)である。消化吸収排泄の過程に〈落とされる〉。そのプロセスに落とし込まずに〈保留〉する、これがいかに大切なことか。生後47年目の僕はそれを日々噛み締めている。

そういえば以前、噛み締め過ぎて奥歯が砕けた/砕いたのだけど、人間というのは実は、意識的に動かすことができるはずの筋肉のコントロールすらままならないことを知った出来事であった。


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