工場の垂れ幕などでよく見かけたちょっと変わった言葉に「ヒヤリ・ハット」というのがあって、最初は特殊な帽子のことかと本気で思った。正しくはハインリッヒの法則という労働安全関連の経験則のことだ。
ハインリッヒの法則(ハインリッヒのほうそく、Heinrich's law)は、労働災害における経験則の一つである。1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在するというもの。「ハインリッヒの災害トライアングル定理」または「傷害四角錐」とも呼ばれる。(ウィキペディア)
子育てに関して、僕はこのハインリッヒの法則を一つの目安としている。
どういうことかというと、例えば「子供が飲み込んでしまいそうなペットボトルのキャップが、子供の手の届くところにあって、そのキャップを子供が持っていて口に入れそうにしている」という「ヒヤリとしたり、ハッとしたりする」事象が、一日一回の頻度であったとしたら「一年経たないうちに飲み込んで重大事故が起こる」ということである。
乳幼児が何でも口に入れてしまう期間というのは、それほど長いわけではないが、アラタの例で言えば1歳7ヶ月の現在でも時々入れる。ざっくり2年間そういう時期があると見れば、2日に一回でも「ヒヤリ・ハット」すれば、ほぼ確実に1件は重大事故が起こるという計算になる。
1、29、300という数字自体の精度や正確さについては異論があるのだけれど、この経験則の言わんとしていることはよくわかると思う。
1回や2回や、10回ぐらい大丈夫だったからといって対策を怠ると、一定期間経過すればほぼ確実に悲劇が起こるというイメージは持っておいたほうがいい。
このペットボトルのキャップの例で言えば対策は簡単だ。まず基本的にペットボトルの商品は買わない。必要があって買ったとしても使い終わった時点で処分する。
つまり家の中にペットボトルキャップが存在する時間を大幅に減らす。もちろん、散歩中に自分で拾ったりもするだろうし、完全にゼロにはできない。また、その必要もない。なぜなら、上記の対策で「ヒヤリ・ハット」機会は大幅に下る。
仮に3ヶ月に1回とすれば、29✕3=87ヶ月、つまり7年に一回軽微な事故が起こる。また、重大事故は300✕3=900ヶ月、75年に一度起こる。これぐらいのリスクなら十分に許容範囲だ。
1ヶ月に1回だとすれば、軽微な事故は30ヶ月に一回。重大事故は25年に一度。これでもまぁ、大丈夫だろう。
そもそも最初から重大事故につながらないような事象(ヒヤリハットしない事象)については、経験することで子供は自ら対策を学んでいく。だから、そういうことはどんどんさせていい。重大事故につながると判断した事象はハインリッヒの法則を目安にして、機会自体を減らす。
こんな感じでいろいろ対策を取っていくと、僕たちの生活が変わっていって、それが面白い。
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