言葉というもの、日本語というもの、そういうことを考えれば考えるほど、僕は会話ができなくなってくる。人の話が聞けなくなってくるし、自分が言っていることが人に伝わっている感じがしなくなる。
もちろん、ちゃんと聞くことができて、僕の言っていることも伝わっていると感じる人もいて、そういう人との会話は、なんでこんなことまで見えるのだろうという気がするのだけど、なんでこんなことすら見えないんだろうという気がする人との乖離は大きくなるばかりなのだ。
言葉というものが伝わるのは本当に奇跡的なことに思えてきているから、きっとそういうことになるのだろうけれど、でも、どうしても僕には言葉が伝わるというのが奇跡的なことに思えてしょうがない。
だから余計に言葉への興味が湧いてきてしまって、余計に言葉について考えてしまう。
昔買った三浦つとむの『日本語とはどういう言語か』をふと手にとって見た。10年ほど前に人から勧められて買ってみたものの読み通せなかったのだけど、今なら読める気がする。
こうしてまた言葉とか日本語とかができなくなってくる。