澪と夜桜を見に行った。と思ったけれど、京阪宇治で待ち合わせたのが六時でまだ明るかった。ビールやらワンカップやらを買って宇治川の東岸へ。
宇治川の東岸が好きでここから座って塔の島越しに西岸を見る。塔の島は今護岸工事をしている。西岸にはちょうど平等院があるのだけれど、見えるのは屋根だけでどちらかというと、右手の宇治橋やその向こうのJR奈良線の鉄橋を渡る電車を見る。
空は見事に茜色から群青色へとグラデーションしていて、雲を曳きながら飛行機が飛ぶ。トビケラが飛ぶ。川のそばに住んでいたらなと思う。東岸はでかい屋敷や寺や神社があっておいそれとは住めない。
水面すれすれを鳥が飛んでいる。もしも風が立って波が立ったら翼が水を撃つかもしれない。座っている後ろを時々人が来てスマートホンの電子的で画一的なシャッター音がする。
桜はいつも妖しい。