夕ごはんはペペロンチーノを作って食べる。ペペロンチーノはフェデリーニという細めのパスタで作るのだけど、湯で時間が短いのでその分早く作れる。
といってももう一つ常備しているリングイネとくらべてせいぜい6分ぐらいの差でしかない。でも、調理中のこの6分というのは結構大きくて、ようするにリングイネだと手持ち無沙汰な時間ができてしまう。でも、ちょっと油断するとフェデリーニは茹で過ぎになるか、ソースの方が間に合わないかしてうまくいかなくて、だからちょっと緊張しながらペペロンチーノは作る。今日のは、さほどうまくもないけれどそれなりで、ささっと食べて東山へ向かう。
ロームシアター京都に入っている蔦屋書店の棚を見ていると澪がやってくる。併設しているスターバックスでコーヒーとマフィンを買って食べて飲む。こんな感じでちょっとお金をつかうようなことは久しぶりで、なんとなくいつもと違う感じが心地よい。岡崎という夜になるとあまり人が通らない場所にぽっかりと明るく浮かび上がった店内は、暗闇のなかのオアシスといった風情があり、なんとなく楽しい。ゆっくりコーヒーを飲んで、澪といろいろ話をして、それからまた本屋の棚を見て回る。吉本隆明が現代思想の良い位置の棚を一段使っている。網野善彦はあちこちに散在している。椹木野衣は結構揃っている。そんなことを確かめて回る。
思えば、中学時代から僕はそんな風にして本屋の傾向を確認してきた。この本屋はこの作家を揃えている、この本屋はこの分野に棚を一つ持っている。久しぶりにそんなことをやってみて、最近ではほとんどアマゾンだったのを、やっぱり本屋にも行かないとなと、説教臭く考える。
澪と二人で東山の和室に戻って、澪の買ったチュウハイを飲んで、インスタントの味噌汁を飲む。すると澪が、せっかく一人でいるのを楽しみに来たのに、僕がいるとつまらないというようなことを言い出して、それもそうかと思って、一人家に帰ってくる。
家では猫が3匹待ち構えていて、姿を見るなりにゃぁにゃぁと騒ぐ。小腹が空いていたので、またしても白菜ラーメンを作って食べる。昼食白菜ラーメン、夕食ペペロンチーノ、夜食白菜ラーメン。低所得者ほど麺類が増えるというのは本当だと思う。とはいえ、さすがにラーメンにも飽きてきたので、この分だと明日はカレーを作ることになりそう。