畳の縁から手前が僕が選んだ10個、 奥が澪が選んだ10個。 |
1 二人でそれぞれ10個選ぶ。
2 それを1つずつ(もしくは同じものを複数個ならセットで)、出す。
3 お互いに依存がなければそれを減らす。
家にあるものはなんでも選んでいいというルールだったから、一悶着あるかと思ったけれど、一つを残してお互いにわりとあっさりと処分に同意した。
一つだけ、澪が抵抗したのは、使い古したアクリルたわし。なぜそれだけ反応したのか、一般的には他にずっと「価値がある」ように思われるものをたくさん自分で選んでいるし、アクリルたわしが「ときめく」ものだとも思えない。
しかし、人がある程度以上の時間や労力を投入して、何かしらの変化を引き起こした物に宿る何かがたしかにあって、これが「付喪神」なのだろう。この遊びは、やってる最中はとても興奮して楽しいのだけど、終わった途端ふたりともなぜかぐったり疲労した。
人間がどうしても持ってしまう愛着というものを不適切に扱ったという感覚がどこかにあって、そういうことをうかつにやると人は憑かれる(疲れる)。
一旦は澪も同意して捨てることにしたアクリルたわしだったけれど、このブログを書いているうちに今度は僕が捨ててはいけないような気分になって、結局は使い続けることにした。
ただし置き方は変更した。それまでは洗面台の上に所在なく放置されていて、いつもなんとなく湿っていたのが嫌だったので、壁にかけて居場所を作った。
件のアクリルたわし。 壁にかけて「見せる」ことにした。 |