January 4, 2015

【039】思いつきではなく、ずっと昔からそこにあった

雪が積もると
足跡を見るのはたやすい。
思いつくのが楽しくなくなってきた。

僕は、思いつくという快楽にとらわれていた時期が長かった。
誰も考えたことがないようなことを思いつく、そんなことに憧れがあった。

思いつきは、祭りの馬鹿騒ぎのようで、その瞬間の体温の上昇はあとで後悔とともに下降する。酒を飲んだ翌朝のように。

そんなことよりも、いつからそこにあったのかわからないけれど、気が付くとそばにあって、どうしてもそれに囚われてしまうのだけれど、それをうまく表に出すことができないようなものに興味を持つようになってきた。

ありふれていて、つかみ所のないもの。
見て見ぬふりをし続けてきたもの。

それをどうやって、取り扱うのか。
そのためにはまず、どうやって見るのか。

それが見えたとき、晴れやかで穏やかな気分になる。


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