道具は、使うのが好きなので、使えないと気分が悪い。 「大事にしまっておく」のはとても雑な扱いだと思う。 |
ブルーブラックのインクを入れたペリカン(緑縞)。
赤のインクを入れたラミーサファリ(黄色)。
ラミーサファリはカートリッジではなくコンバーターを入れて、ちゅーちゅーとインクを吸い上げる。ペリカンはお尻のところをくるくる回してこちらも、ちゅーちゅーとインクを吸い上げる。ハクキンカイロの時にも書いたけれど、この「使う分だけ液体そのものを補充する方式」が僕は好きだ。
万年筆を使い始めたきっかけは、僕の整理の悪さがある。
仕事柄赤ペンをよく使うのだけれど、以前、ボールペンを使っていた頃は、気が付くと胸ポケットに3本赤ペンが刺さっていたりした。無い無いと探しまわって机の引き出しを開けたら中から20本近くぞろぞろ出てきた時は、ホラー映画かと思った。虫や鳥が大量に湧いてくる映画があるんだからペンが湧いてきてもおかしくない。
万年筆に変えてから、筆記具というものが無尽蔵ではなく、唯一の物としての実感がわくようになって、とても気持ちが落ち着いた。他の筆記具と比べて万年筆の良いところはだから、物としての存在感が強いことだ。
僕にとってペンはこの世にこの2本しかない。
それが心地よい。
書き味ももちろん好きで、脳みそが液体になって腕を通ってペン先から紙に直接流れ出る感じがする。