と言っても、横抱きとか縦抱きとかそういうことではない。「抱っこスクワット」「抱っこ散歩」「ドラクエの船抱っこ」「ピンボール抱っこ」などのことである。
抱っこスクワットは、簡単に言えば抱っこしながらスクワットすることで、難しく言っても同じである。本気で膝が90度になるぐらいまで腰を落とすときつすぎるので、そこまではしない。赤ん坊にとっては横になっている状態で背中の方へ垂直落下して、その後垂直上昇するので、絶叫マシン的な興奮があるらしい。そんな顔をしている。
抱っこ散歩は文字通り抱っこして散歩することである。生後一ヶ月ちょっとなので、基本的には室内散歩になる。抱っこしながら、部屋の隅々行く。特に窓際が良い。窓のギリギリまで近づいてやると外の音を聞いている。あとは、浴室の方へ行ったり、物置スペースの方へ行ったりする。ちょっと場所が違うだけで音も光も温度も湿度もかわって、散歩の醍醐味が味わえる。
ドラクエの船抱っこは、前述の二つの抱っこを合わせたものである。スクワットをしながら一歩一歩、あちこち歩く。歩くたびに上下動があり、ちゃらーちゃらーちゃちゃちゃーなど適当なBGMを口ずさみながらやるとドラゴンクエストの船っぽくなる。
ピンボール抱っこはかなり激しい。抱っこしながら直線移動し、壁や棚などにぶつかった瞬間に、バボン、ガコ、ガンガン、などと音響効果を伴いながら、跳ね返り移動していく。机と壁に挟まれた狭いところへ行くとスリリングで、ガゴガゴン、ガゴンガゴガゴなどと小刻みで激しい動きになる。抱っこ者にかなりの負担がかかるのが難点だが、被抱っこ者には好評である。