第9回 立ち上げてきた時からあったものをなくすから、ぜんぜん違う表面の表れ方になる。
小林:ログハウスのね、
部材、キットを販売しているところが山口県にあるんだけど、
8月に寄れる機会があるからよってきたのね。
70すぎぐらいのおじいちゃん、お盆休み中だったんだけど、
電話したら、
家近くだからせっかく来てくれたんだったら会いに行きますよって、
会ってくれて。
ほんで話したんだけどね。
いやぁ、もう好きではじめたことだから、
なかなかやめられなくてって。
もう息子さんが社長なんだけど、
暇を見つけちゃぁログハウス建ててるところに写真撮りに行ったりとか、
※ログハウス:小林夫妻は滋賀にログハウスを建てる予定。
大谷:
うん。
小林:
で、おやじもうそんな年なんだから来るな、
と言われてるかどうかは知らないけど、
でもまぁそんな雰囲気でね。
でも好きだからいろんな地域のイベントやったりとか、
ニュースレターみたいなのを封筒で、
それ以来送ってくれるようになったんだけど、
それも全部手作りで、その人が作ってるんだけどね。
なんかさっきの「ミッションがどうで」っていうのと、
逆というか違うパターンの企てだなと思って。
はなっから、ミッションがどうでって言ってる場合はもう、
代表が自らやったことだから、立ち上げた人がやって、
大谷:
うん。
小林:
組織おっきくなってきたらもうそれを手放して、
だれかに引き継ぎをするというか、任せてね、
自分はもうちょっとこう、次のステージに行くというか。
大谷:
うん。
小林:
次のステージのことをやりたいというのが本体だよね。
最初のはとっかかりに過ぎなくて。
でもその団体の核心部みたいなのは立ち上げたところにあるし、
多くの場合はそこにミッションみたいなものが込められているから、
そこにすごく重要性がある。
僕も前いたところで、
一番最初に立ち上げのときにやっていた事業を畳んだら、
やっぱりそこから変化した感じがあってね。
その団体のカラーというか質感というか。
表面が変わるからだよね。
それまで立ち上げてきた時からあったものをなくすから、
ぜんぜん違う表面の表れ方になる。
最初にやってたあれはもうやってませんよ、と。
違う団体になりました、
ということを直接言わなくてもそういうメッセージになる。
けどその、じいちゃん、
じいちゃんていうほどじいちゃんぽくはないんだけど、
なんか快活な感じで。
そのログハウスの人とあった時、すごくいいなぁと思って。
大谷:
うん。
小林:
なんか、好きでやったことだからやめられないんだよねっていって、
30年とか40年前にやったこと、
いまもなんかやっちゃってるんです、みたいなね。
それでもう満足して死んでいけるみたいな。
大谷:
ログハウスを建ててるところに
年とってから写真を撮りに行くというところまでも、
企てられていた感じはあるんだよね。
小林:
後付だとしても、そういう、企て、だよね。
最初からね。
(第10回へつづく)