June 8, 2015

【178】一人でいるとお腹が減らない。

一人でいるとご飯を作る気にならない。そもそもお腹があんまり減らない。

普段僕がご飯を作ったり、お腹が減ったりするのはたぶん、一緒にいる澪が定期的にお腹が減るからではないだろうかと思う。

僕は、ご飯を作ること自体はわりと好きで、作り始めてしまえば、作っている間のあの何かテキパキと自分が動く感じも心地よい。僕にとって空腹は珍しく動力源となりうることで、ご飯を作ることに関してはとても生産的で効率的で段取り良くできるのだけど、こうして一人でいるとそれが機能しない。

だいたい空腹にならない時というのは、過集中のような状態にあるときがそうで、お腹が減っていることに気がつかないみたいなことになる。

そう思って今の状態を見て思ったのだけど、こうして一人でいるというのは、それ自体で何かに集中してしまっているのかもしれない。ボーっとしている時間が多くて、自分自身でも何かの作業に集中しているという実体はないのだけれど、それでも考え事はやめられないから、たぶん、考え事に集中しているのだと思う。自分でそれを集中している状態だと意識したことはなかったけれど、そう思えばしっくりくる。

他人と一緒にいるとそれだけでだから、集中状態に撹乱が生じる。その撹乱による集中の隙間から空腹が現れて、僕はお腹が減っていることに気がつき、ご飯を作る気にもなる。

人間は一人では生きていけない、なんてことをいうけれど、こういう意味でなら、そうかもしれないと思える。

そんなことを考えていたら、ちょっとすっきりしてきて、お腹が減っていることに気がついて、ご飯を炊いた。大根おろしで食べよう。


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