November 4, 2018

【478】本好きが本の話をする時間、3回目を終えて。不真面目な文体。

どうしようかと悩んだ末に、つまみ食い企画をやってみた。10冊ほどの小説を選び、その1ページ目だけをコピーして、参加者で読んでみるというもの。

10冊はどれも、うちにある本で、つまり僕が好きな、あるいは好きだった小説を選んでいる。

一応、企画主旨はこう。

1ページ目しか読んでいないのだから、ストーリー展開、登場人物の魅力といったものを知ることはほぼできない。しかしそれでも、その書き出しに魅力を感じたり、ある種の世界を感じたりする。それは一体どこから来るのか。

僕が小説が好きなのは「文体フェチ」だからなのだけれど、文体とは一体どういうことなのかを知ってもらおうという意図である。

文体は、書き出しの1ページだけでも十分に「体験」できる。その体験の魅力によって、その後も読み進めたいと思ったりする。ストーリー展開や登場人物といったものは、僕にとっては二次的なもので、一番のポイントは文体にある。

というようなことで、やってみたのだけど、一応は伝わったかなと思う。

で、それ以上にやってみて驚いたのが、選んだ10冊の多くに共通する印象があったことだ。僕は、小説であればだいたいなんでも読んできた。特定のジャンルにこだわった読み方はしていなかった。特定の作家のみ読むというようなこともしていない。だから好きな小説は様々なジャンルに渡っているし、様々な文体を持っている。だから、まさかそこに共通性があるとは思っても見なかった。

で、その共通性とは何かと言うと「ちょっとふざけている」こと。真面目ではないこと。斜めに見ていること。

文体からその不真面目さが読み取れてしまうような小説が、僕は好きだった。

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月一回、やってます。
本好きが本の話をする時間・定期


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