November 6, 2018

【482】笑いのはじまり。(生後61日目)

今日は新のはじめての予防接種で、病院まで澪と一緒に行ったのだけど、熱が出ていて受けられず帰ってきた。特に気にする必要もないレベルだが、昨日から機嫌が悪かったのはこれだったのかもしれない。機嫌が悪いというのは、理由がわからない泣き方が断続的に長時間続くこと。これまではあまりないことだった。

また、喉と脚の股の湿疹がひどくなっていたので、塗り薬を出される。以前の耳のときと同じ薬かもしれない。耳の方はもう治っている。

昨日、初めて(だと思う)、「アキャ」と声を出して笑った。笑った拍子に偶然音が出たのかもしれないが、ここ数日、とても良く笑うようになっていたし、笑い方がいわゆる生理的微笑ではなく、笑うべくして笑うようになってきているので、笑い声ぐらい出てもおかしくない。生理的微笑との目に見える大きな違いは、一度笑いだすと笑っている時間が長いことで、最近はうまくあやせば1分ぐらいは機嫌よく笑い続ける。

声を出して、なにか喋ろうとしている様子も多くなった。もちろん何を言っているかは定かではないが、概ね天上天下唯我独尊的なことを喋っているのだろう。舌がうまく使えないので、喉から音を出す感じ。舌はそのまま出したり、口の中で反らして舌の中程の部分を前に突き出したりぐらいしかできない。

たぶん、今ぐらいが、生理的欲求ではない「人間としての」通常の意味での意思疎通が取れるか取れないかのギリギリのところではないか。これ以降、僕はたぶん新を笑わそうとして笑わせることができるようになっていくだろう。通じないということは、ある種の理想郷ではある。

生理的な欲求以外での意思疎通の始まりが「笑い」を伴うということに人類規模の希望を感じる。大げさだけど。大げさついでに言っておくと、僕は、人間というのは面白おかしく生きていく生き物だと思っている。新が生きていくことも面白おかしくあってほしい。


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