秋晴れの心地よい日差し。大運動会を開く。種目はうつ伏せのみ。今はこれしかできない。毎日気が向いたら転がしてみてはいるけれど、今日は、長時間頑張ってみることにする。
もうすでに座布団一枚にギリギリおさまるかどうかというサイズになっている。もう少ししたら頭か脚が落ちてしまう。
うつ伏せにして、しばらくは右を向いたまま、んはーんはーと息をしている。そのうち背中と首のあたりの筋肉を使って頭を上げる。同時に腕にも力が入っているようで、長時間頭を上げたままにできるようになっている。
以前、こうやってうつ伏せにして、じっくり観察してみたのはいつだっただろう。その時の記憶の姿とは、がっしり感が違う。
一旦、頭を下ろして、指をしゃぶって、どうするかなと思っていたら、再び頭を上げて、少しずつ前に首を回し始める。新の左側に僕が移動して、あやしてみると、そのまま首を左に向けてくる。これはちょっと驚いた。以前はできなかったこと。
それからしばらく背をそらせて首を上げたまま、今度は足をガシガシと動かし始める。時々指が座布団にしっかりとかかって、頭の方向へずり上がりそうになるが、まだ体が移動するまでではない。足だけでなく手も動かす。横にしたり、胸の近くに持ってきたり。こういうことも以前はできなかった。手は座布団に張り付いたままだった。
結局10分ほど、うつ伏せでバタバタやっていたが、途中、首を上げたままで休憩を入れずに左右に振ってみせたり、両手を突っ張って胸が座布団から離れるまで反り返ったりするようになっていた。
できるようになるということの衝撃を本人はどのように感じているのだろうか。少なくとも横で見ている僕には大きな衝撃を与えていて、喜びであると同時に寂しささえも生じた。もうこんなに成長してしまった。
泣き出したので、終わりにして抱き上げると、いつもとちょっと違う顔で、体をゆったりと休めていた。
追伸:そういえば抱っこしているときに首が前にガクンとなることがなくなってきた。後ろには倒れるけれど。首が座りつつある。