新(あらた)のやっていることは、最初は単純だったのがだんだんと複雑になっていく。生まれた当初はやらなかったけれど、今はよくやることに「ふがふが」がある。
「ふがふが」というのは、例えば座布団に一人寝かされた状態で、でも眠っているわけではなく、起きていて、鼻息をふがふが荒くさせながら、両手両足を不規則に動かす状態である。
機嫌が悪いわけではなく、むしろ良い方だと思うのだけど、この状態からふとした拍子に泣き出すことも多い。
いったいなにをやっているのだろう。
思うにたぶん、何かしらの欲求があって、しいて言えば「自由」への欲求のようなもので、しかしそれがまだ「食べたい」とか「おしめが気持ち悪い」とか「おしっこしそう」とか「うんちしたい」とかそういう生理的な欲求と無分別なところにある。そういういずれ「自由」へと分離凝集する欲求のなかにあって、今は「思い通りになりそうでならない」その「思い」という場所と「通り」を区画整理しようとしているところなのではないか。手足が自由に動かせるようになる範囲が広がるつれて、区画整理が終わった区画から動作や目的といった家や店が並びだす。
しばらくふがふがしていていたかと思うと、気がつくと疲れて眠ってしまっていたりする。