空だけの写真を見ると、
いつも切り取られている感じがする。
とあるアパートに部屋を借りるかもしれない。
場所は京都の東山。京阪三条から徒歩10分ぐらい。都会。
玄関を入ると靴を脱いで木の床の廊下が続く古い旅館のような木造2階建て。
友達と何人かで借りる算段を立てつつある。
住むのではなく立ち寄る。
エアコンがないから夏は暑い。
そういう時はどこかへ避難する。
近くには図書館、美術館、多数の喫茶店、コンビニ。
風呂がない...
December 26, 2014
December 19, 2014
【035】旅はどこへ行くかではなくて、どれだけ持っていけないかだ。
こんなリュックで暮らせば、
それはもう旅。
チェルフィッチュの『スーパープレミアムソフトWバニラリッチ』を観た。
全てにおいて閉じている。
舞台はコンビニ。若手男性バイトの言葉は次の瞬間、先輩バイトの言葉で打ち消される。常連客の期待と喜びは次の瞬間、苦情へと転落する。新しい釣り銭の渡し方も、正論を吐く買わない客も、何もかも、舞台上に登場したが最後必ず反転し無に帰す。
アフタートークで演出家の岡田利規は「東日本大震災を契機と...
December 16, 2014
【034】書くこと残すこと
果樹は野菜と違って食べられるまでに
少し時間がかかるのが書くことに似ている。
前回、「しばらくお会いできていない」と書いた西本さんから、なんとメッセージをいただいた。本当にうれしくて思わず声を上げてしまった。ブログを読んでいただいたとのことで、近況が綴られていた。こういうことがあると書いていてよかったなと思う。
あのエントリーを書いたのは、当時東山いきいき市民活動センターで西本さんと出会った僕とその少しあとにそれを書いた僕...
December 4, 2014
【033】大人しい大人(再掲載)
よくもまぁここまで細かいしきたりやルールが
あふれたこの社会で僕は生きていられるものだ
再掲載シリーズ。
東山いきいき市民活動センターは今でもなんとなく僕の意識の中に場所があって、京都市内へ行くときは京阪三条を思い浮かべる。今、日々履いている革靴をオーダーした靴屋さんも東山いきセンのすぐ近くにある。三条界隈を思った時に今でも立ち現れる漠然とした「好ましい場所」の意識はたぶんこのブログのエピソードに由来する。
なお、...
December 2, 2014
【032】平熱の革命
卵の殻のミルフィーユ。
現在の蓄積が歴史となる。
神と王を殺して近代になった。
自己の時代になった。
夢と希望を努力で勝ち取る時代。
夢と希望と努力が自己である時代。
今、夢も希望も努力もなくなりつつある。
夢も希望も努力もないけれど死んでいるわけではなく、より生きている。
夢と希望と努力という自己を無条件に肯定して日常を生きることが古臭く見える。
現代が更新されている。
平熱の革...
November 25, 2014
【031】豊富とも稀少とも違うところにある「うれしい」
今年も大きくなってきた隣のザボン。
ハンドボールぐらい。
ぶどうの苗木を注文した。マスカット・ベリーAという品種。
12月初旬に届いたら、庭に植える。
パートナーの澪と、植える場所を決めて、そこにあった切り株を掘り起こして、開いた穴にコンポストを設置して、生ごみを入れて、と準備してきた。
去年、つくだ農園のぶどうの定植に行って、その時いつかうちでもぶどう植えようと思ってから1年半。
http://tsukuda-blog.s...
November 21, 2014
【030】ティッヒー
何の変哲もないとびきり美味しい
シュークリームが一個150円だった。
■11月12日
黄檗駅近くの新生市場のケーキ屋さん、ティッヒーが11月30日で閉業だというので今日も買いに行った。小さな店の右端にあるガラスの冷蔵庫に張り紙がしてあって、11月30日に閉業と書いてある。ショーケースの上の小さな鐘を鳴らすと声がして、いつものようにおじさんが2階から降りてくる。
シュークリームを2つ頼んで、閉業なんですねというと、
はい。
他...
November 15, 2014
【言葉の記録4】高井ちゃんのカバン 第9回
第9回 ほんま行けるところがあってうれしい。
本文の会話には登場しないが、ペットボトルと缶のプルタブを開ける自助具。「これがあればいつでもビール飲めます(笑)」
大谷:
これ4年ぐらい使ってるのか。
全然そんな風に見えないね。
高井ちゃんのことやから毎日使ってるやろうに。
高井:
3個をローテーションでぐるぐる。
ここは名刺入れるのに作ってもらったんですよ。
大谷:
外のポケットね。
カードとか入れてたよね。
高井:...
【言葉の記録4】高井ちゃんのカバン 第8回
第8回 出勤の時にシャチハタがいるってわかって、シャチハタいれるところ作ってって。
3代目の肩掛けカバン。赤がきれい。
大谷:
これは3代目だね。これは何年ぐらい使ってるの?
高井:
退職の一ヶ月前やから、2010年の7月に。
大谷:
じゃぁ、4年半ぐらいか。しっかりしてるよね。
茶色は高井ちゃんが好きな色なん?
高井:
もう、全部おまかせでしました。
大谷:
おまかせなんや。へぇ。良い色やね。
高井:
うん。
...
【言葉の記録4】高井ちゃんのカバン 第7回
第7回 リュックってあんまりいいことがなかったんです。
高井:
あ!そうそう。tamaさんのブログ、ご覧になりました?
大谷:
うん。
高井ちゃんがこの話をするのをきいたっていうのを
ブログに書いてくれてたね。
高井:
たぶん、うちと大谷さんのことを書いてくれたんやろなって思って
見てたんですけど。そうと思う。
大谷:
高井ちゃんにそういう話をされてまた作りたくなったってね。
高井:
うん。
大谷:
なんかうれしい...
【言葉の記録4】高井ちゃんのカバン 第6回
第6回 「恵子ちゃん、勉強になったよ」って。だいぶ苦労してくれはったなぁと思う。
2代目のリュック。ヨコ型で形を保つのは難しい。
大谷:
作ってくれたお友達なんていう方なんですか。
高井:
tamaさん。
※tamaさんのブログ「工房 place in the sun」。
大谷:
tamaさんは、色の選び方もいいですね。
高井:
これがすごい苦労して作ってくれはったんですよ。
大谷:
このリュックは2代目のカバン?...
【言葉の記録4】高井ちゃんのカバン 第5回
第5回 わりと同じのをしつこく使うタイプやねんね。
サイズもちょうどいい。
大谷:
いつも何を持って歩くかとか、
高井ちゃんは決まってるの?
高井:
えぇ。ポケットに入れていきましょうか。
大谷:
うん。それが決まってるのが面白いなぁと思って。
高井:
測ってもうたんは、ちり紙と薬入れ、手帳、メモ帳と財布と、
大谷:
使い込んだ財布やな。ええ感じやね。
高井:
もう十何年です。
大谷:
わりと同じのをしつこく使う...
【言葉の記録4】高井ちゃんのカバン 第4回
第4回 作ったげるわって、快く引き受けてくれはって。
欲しいものがすっと取り出せる。
大谷:
何年ぐらい使ったん?
高井:
最初から合わすと6年。7年目かもしれへん。
これ茶色くなってからは3年かな。
大谷:
すごい使ってるね。
でも全然、しっかりしてる。
高井:
ほんまになんか、生地からちゃんと考えてくれて。
大谷:
どういうふうないきさつから、そういうことになったん?
高井:
うちもそれ、きかれると思って、
ず...
【言葉の記録4】高井ちゃんのカバン 第3回
第3回 カバンの自慢していいですか。
高井:
カバンの自慢していいですか(笑)
大谷:
うん。自慢して。
高井:
これ(笑)
使いすぎてブチ切れてるねん。
大谷:
あ、紐が切れてるやん。
丈夫な革ベルトがちぎれるまで使い込んだ。
高井:
こればっかり使ってたんですよ。
大谷:
革の肩紐が切れるって相当やね。
高井:
友達も言うてた。相当使っててんなって。
大谷:
いいなぁ。
高井:
中身もこんな可愛くしてくれて...
【言葉の記録4】高井ちゃんのカバン 第2回
第2回 病弱やけど、そこは機械の力、文明の利器の力を使って。
高井:
さっきお話に戻るんですけど、
一言で言うと「私らこれからやんか!」って。
ほんで、
インターネットで会議とかできひんかなって言うてたんですけど、
その友達とインターネットの会議ってどうやんねんって。
そこから始めようかって。
大谷:
へぇ。
高井:
大谷さんて、機械強いですよね。
大谷:
まぁまぁ、わかるよ。
高井:
今度ね、インターネットの会議...
【言葉の記録4】高井ちゃんのカバン 第1回
高井ちゃんこと高井恵子さんと初めて会ったのは何年も前の年末の飲み会だった。
バリアフリーマップを作っているのだけれど印刷のことがわからないから協力してほしいと言われた。初めて会ったはずなのに「最初からその距離にいました」というような、馴れ馴れしいというわけではなく、それでいてとても親近感のあるその距離と場所がとても印象的だった。
そんな高井ちゃんと久しぶりにあったらとても素敵なカバンを持っていて、それどうしたん?ときき始めたら...
November 13, 2014
【029】南北朝に匹敵する動乱のわくわく
線が引かれたシミだらけの本と、
黄色くなった切り抜き、それと猫。
講読ゼミが面白い。仲間と本を読む。よってたかって読む。
僕が特に気にならず読み進めてしまったところを別の誰かが掬いあげてみせる。すると思わぬ景色が見えてきて、あぁ自分だけでは到底辿りつけなかったと思うようなところへ行ける。
来年1月からは網野善彦の『増補 無縁・公界・楽』を読む。いよいよという感じ。好きな本だけど、なかなか難しい。読んでも読んでも読みきれない...
November 11, 2014
【028】どこがどうということの書かれたもの
見えている範囲から見えてないところを
予測する想像力の罪。
「文脈」という言葉は、実は大きな意味から小さな意味まであって、例えば通常使う文脈という意味は、と、ここまで読めばこの続きは、一般に使われている文脈という言葉は小さな意味でしかなくて、もっと大きな意味としての文脈もあるというようなことを、さっきの「、と、ここまで」のところまで読んだぐらいでなんとなくわかってしまうようなことを文脈といったりする。
「ここまで読めば」のあた...
November 10, 2014
【027】近いって幸せ(再掲載)
遠いと言えば沖縄。肌が記憶している距離。
あの包み込む空気と気紛れな雨雲の遠さ。
若干手抜きな気もする再掲載シリーズ。
そのうち罪悪感で新しいのを書く気がします。
今回はかなり古め。7年前のものから。
この頃は大阪ボランティア協会の職員として雑誌『ウォロ』を編集していました。
本文中の「東京の方」は大熊由紀子さん、「職場のボス」は早瀬昇さんのこと。
距離に関することはたしかに今でも意識があって、でも、これを書...
November 6, 2014
【026】縛る土(再掲載)
テクノロジーは夢を与えた。
テクノロジーは呪いを与えた。
以前書いていたブログを読みたいと言っていただいたので、いくつか再掲載しようと思います。
===
2011年06月07日
庭で畑をやっているとあの野菜は簡単だからやるとよい、あるいは難しいなどと言われる。僕自身、以前住んでいた箕面でも畑をやっていたからその時の経験を頼りにあれは簡単に育つ、これは難しいと思い込んでいたりする。しかし、全くないとまでは言い切れないが、...
November 1, 2014
【言葉の記録3】コトバのキロク公開収録 第9回
(まるネコ堂ウェブサイトからの再掲)
第9回 引用を含めた言葉の品というもの
大谷:
引用って、ルールに基づかないと引用にならなくて、
そのルールに基づけば承諾を得なくてもできるっていう、
そういう仕組そのものを引用っていって。
それが僕はすごい素敵な仕組みだなと思うんですよね。
僕が引用したことを引用された元の人は知らない。
まあ、網野善彦なんかもう知りようがない。
死んでるからね。
でもできるっていうのが、素敵なこと...
【言葉の記録3】コトバのキロク公開収録 第8回
(まるネコ堂ウェブサイトからの再掲)
第8回 「入ってもいい」と言われているところの動けなさ
森洋介(参加者):
入ってもいい?
大谷:
どうぞ。
森:
まず自分の居場所を確保したいというのがあって喋ってるんやけど。
「入ってもいい」っていう設定の仕方って難しいって思って。
なんか二人は緊張してるって言ってるけど、
僕は僕なりの緊張があって、
話を聞いてて心が動いた時にふっと行きそうになるんやけど
「入ってもいい」という...
【言葉の記録3】コトバのキロク公開収録 第7回
(まるネコ堂ウェブサイトからの再掲)
第7回 瞬間切り込んでくる感じがあるときがあって、「あっ」て思う
小林:
前、僕の紹介をする時に僕といるとちょっと、
緊張するとかドキドキするとか書いたのもそう?
大谷:
同じかもしれない。
けんちゃんと同じことを考えていることが多いって思って、
似ているっていう言い方をしていたんだけど、
けんちゃんと似ているんだけれど、
似ているからといって安心できなくって。
でも、なんていうか。安心...
【言葉の記録3】コトバのキロク公開収録 第6回
(まるネコ堂ウェブサイトからの再掲)
第6回 対策をとってもそんなんは対策にしか過ぎないよって僕の中のくにちゃんが言う
小林:
でもなんちゅうのかな。
今日、これを開くときでもそうだし、
他で、例えば自分が円座やるときとか、
どっかの組織に呼ばれて、
一応こういうプログラムでとかこういう趣旨で
来てくださいねとか言われるんだけど、
もう完全に非構成というか、
その場の集まった人たちで場を作っていこうとかいう
心持ちでいる時は、
何日か前から緊張している感じがあって、
それは近そうだなと思った。
今日もそうで、
なんだか身をさらす感じがあるのね。
準備しといたり、
今日も大谷さんと話すこと全部決めて、
今日はこういうしつらえでこうやって話そうと決めたら、
それを見てもらえるじゃん。
プログラムとか話す内容を。
でも、完全に僕を見られる。
それに対するすごい恐怖感みたいなのはあるね。
大谷:
準備ができないって、対策が取れないってことでしょ。
対策をとってもそんなんは対策にしか過ぎないよって
僕の中のくにちゃんが言うんよ。
小林:
(笑)。ああそういうこと。
準備してたら?
大谷:
準備しようとしてたら。
で、あなたはそんな対策を取らなくてもいいんですよ。
対策をとってないあなたを私は見るんですよって言うのよ。
それがこわいよね。
本当にくにちゃんがそんなことをいうかどうかは
全然関係ないし、
別にくにちゃんと面と向かって話す時に
そんなプレッシャーを受ける訳ではないんだけれど、
なんだろうね。
フェンスワークスというグループそのものの
コアになっているものとして
僕はそういうふうに見えちゃうんだよね。
きっと。
小林:
コアになっているものとしてそういうふうに見えちゃう。
大谷:
現実にいるのはけんちゃんとか、なっちゃんとか、
くにちゃんとかであり、
円座というプログラムであるんだけれど。
そういうものの中心に、
なにかそれがそういうふうに構造を作る、
それがそういうふうになる何かがあると想定して、
その中心にある何かみたいなものから
僕がそういうふうに言われているように聞こえる。
小林:
うん。
大谷:
逆に言うと、
対策を取らずに緊張している状態の中から
何かを言うというのは絶対に大丈夫という感じがしている。
そこから言う言葉っていうのを否定される感じがない。
けど緊張はする。
珍しいと思う、こういう場所は。...
【言葉の記録3】コトバのキロク公開収録 第5回
(まるネコ堂ウェブサイトからの再掲)
第5回 ここの場所がそもそも緊張する。フェンスワークスというものが緊張する
大谷:
今、緊張してるんですよね。
小林:
ははは。
大谷:
僕ね、
こういう場だから緊張するっていうのもあるんですけど、
ここの場所がそもそも緊張する。
フェンスワークスというものが緊張する。
フェンスワークス:目的を持たない生命体的集団。
大阪の千代崎に拠点を持つ。
円坐やエンカウンターグループなど...
【言葉の記録3】コトバのキロク公開収録 第4回
(まるネコ堂ウェブサイトからの再掲)
第4回 引用は大胆で深い敬意の表し方
小林:
僕が勝手にイメージしたもので言えば、
それによって大谷さんの言わんとしていたことが完成したというか、
次の状態にすすんだと言ってもいいのかわからないけど
そんな感じがした。
そのうれしかったってのはなんなんだろうな。
大谷:
読んでくれているってことがわかったってのがうれしかったし、
伝わったというか、
引用するってことは僕が言わんとしているこ...
【言葉の記録3】コトバのキロク公開収録 第3回
(まるネコ堂ウェブサイトからの再掲)
第3回 引用ってドキドキするんですよ。するのもされるのも
大谷:
往復書簡。公開書簡か。
雑誌とかでよくあるあれ。
なんか憧れてたんだよね。
小林:
(笑)
大谷:
ブログのやりとりはなんか、
そういうのができてうれしい感じがあって。
引用。お互いに引用する。
引用ってものすごく敬意を払う行為だなと思っていて。
文章を書くって結構大変で、
自分の考えを晒す形になる。
それを引用...
【言葉の記録3】コトバのキロク公開収録 第2回
(まるネコ堂ウェブサイトからの再掲)
第2回 組織の一員として、どこから何を言われるかわからないって結構リスキー
小林:
もう一つ思い出すのが、前にメディフェスというのがあって。
大谷:
市民メディアフェスタかな。
市民メディアフェスタ:
2004年に「第1回市民メディア全国交流集会」が開催され、その後、市民メディアの祭典として全国各地の主要な市民メディア団体が持ち回りで実行委員会を立ち上げて毎年開催されるようになったイベント。...
【言葉の記録3】コトバのキロク 公開収録 第1回
(まるネコ堂ウェブサイトからの再掲)
言葉の記録
人と話をするのが面白い。どこがどう面白いかというのは、その人、その時それぞれだから、ひとくくりにはできない。話、離し、放された言葉が少し景色を変えてみせる。そんな言葉の記録。事と場の記録。
小林けんじさんの「自分では、自分の考えてることを文字にするのが難しいから人に聞いてもらいたい」という言葉から生まれた企...
October 27, 2014
【025】家内移住
温暖で快適ゆえ、猫有り。
ゆえに我、捗らず。
かない、じゃなくて「いえない」。
2階建ての我が家。年間を通じて1階は低気温、2階は高気温。
特に2階の南側の部屋は冬でも昼間は暖房いらず(家内温暖地域)。
逆に1階はどんなに暖房を入れても入れ足りない(家内寒冷地域)。
机と椅子とパソコンがあればそこがオフィスなので、季節ごとにオフィスを移住。快適快適。
こういう時に物が少ないと便利だなと思う。
シンプルな暮らしで移住...
October 26, 2014
【024】『2014年』のsekenism
庭から見える景色。
毎年寒くなると恒例なのだけれど、薪ストーブが欲しくなる。
年々、設置してもいいんじゃないかという期待の度合いが高まってきている。
今年こそは、と思ったけれど、うっかり「薪ストーブ 苦情」で検索してしまって、この国の支配者の存在に気づく。
天皇陛下でも総理大臣でもない。
この国を実効支配しているのは「偉大なる世間様」である。
世間様の治める世間主義(sekenism)国家である。
(架空小説『2014年』よ...
【023】いさぎわるいから生きている
新月を撮ろうとした写真。
中央の白いのが新月、ではなくたぶん飛行機雲。
前回の続き。
僕には「残るということへの執着と罪悪感がある」。
「残るということへの執着」と書いたけれど、執着そのものが残ることであるから、執着は省略できて「残ることへの罪悪感」。
逆に残らないこと、つまり「消えることは潔い」と思っている。
これも言葉としては冗長で、消えることそのものが潔い。
潔いという言葉の一例として消えることがあるのではなくて...
October 25, 2014
【022】残すの熱
消えそうな虹の写真。
写真は消えない。
「残す」は時間と空間を移動して存在すること。
それは強烈な力の源で、発電所の炉の熱から電気が作られるように、そこからさまざまな力を生み出す。
未来、計画、安定、所有・・・
本を書くのはその時点での視界を残すこと。
もやもやとしたものを言葉として取り出し文字として定着する。
本はフリーズドライになった仮死状態の著者の視界。
読む者は自分の体験という温かなお湯をかけて仮死状態の著者の視界をよ...
October 12, 2014
【021】無縁の場は現代でも存在しうる
パイプは縁のイメージ。
けんちゃんのこの論考、面白い。
「円坐(エンカウンターグループ)と無縁の原理」
なぜなら、
アジールは存在できないーーそれが現代人の「常識」である。その常識はメディアや教育や家庭をとおして、子供の頃から私たちの心に深くすり込まれている。(中沢新一『僕の叔父さん 網野善彦』p69)
アジールは無縁と読み替えられる。ここで中沢新一はカギカッコの「常識」と書いている。中沢自身は常識だと考えていないが、世...
October 6, 2014
【020】死者の言い分
父の書斎。
片付けるのは容易ではない。
5月に父が死んだ。僕は生まれて初めて喪主をした。通夜の後、葬儀場に泊まりようやく時間ができて、喪主とは何かを一晩考えた。
そもそも、この葬式は父が死んだから引き起こされたことで、父が当事者である。死んでいるからこちらに何かを伝えることはできないけれど、今起こっていることの主であることは間違いない。意思が伝達できない状況にあるからといって、その人がいないことにはならない。喪主はあくまでも生...
October 5, 2014
【019】〈大ストーリー〉への憧れとメタ僕
風が吹いていれば自分が止まっていても安心できる。
さらに続き。
軽薄で表面的な暮らしと書いたけど、僕はこの軽薄さを気に入っている。と書いたけれど、なかなかそこで終わらない。
森のなかに小屋を建てて住んでみたいと思ったりする。しかし、その理由は、猫を外に出せる、焚き火で煙も出し放題、周りに気にせず木槌の音を出せるといった、今住んでいる家では制限されているものからの解放でしかない。今の家でもそれらができるようになるなら、移る必要...
October 3, 2014
【018】砂のふりかけ
できたばかりの若い空き地もまた良い。
昨日の続き。
深遠なる構想(ストーリー)を持って生活しているのではなくて、軽薄で表面的な暮らしと書いたけど、僕はこの軽薄さを気に入っている。
というのも以前ストーリーに依存してうまくいかなかったからだ。例えば、
あるとき美緒(澪)が、糠でふりかけができることをきいてきた。炒って塩を混ぜると確かにふりかけだった。このころは節約とかもったいないとかそういったストーリーに依存していた。
その展開から、出がらしのお茶がらでも作った。美味しいかと言われると微妙だが、ふりかけにはなった。ストーリーへの依存は強い圧力を持って僕達の背中を押していく。お茶でもできるんだから、コーヒーかすでもできるんじゃないかと僕は思った。そうすれば、毎日発生するコーヒーかすをきれいに活用できると思った。期待は大きかった。コーヒーかすと醤油を鍋にいれて火にかけた。
結果、食べ物とは言えないものができあがってしまった。でも、ホッとした自分もいた。もしこれがうまくいったら、僕は次に庭の砂を炒り始めたはずだから。
こういう時、ストーリーへ依存してしまっている僕は、自分自身を見ることができなくなっていて、途中で止めることができない。「節約のためにならなんでもやるべき」となってしまう。いつの間にか自分自身から乖離していて、それどころか人間からも乖離するところまで行こうとしてしまう。ストーリーの中にいると、自分がいったいどこで乖離したのかすらわからなくなる。
という話を澪にしたら、それは小林けんちゃんの話にあった一節を思い出すといった。
...
【017】シーン先行型の暮らし
刃物を研いで使うというシーン。
岡田斗司夫が、「エヴァンゲリオンはシーン先行型で作られている。これでもかこれでもかとかっこいいシーンを繰り出してくる。ストーリーは二の次」というようなことを言っていて、あぁそうかと思った。
僕らの暮らしはシーン先行型だ。
例えば、
七輪でサンマを焼いて食べるシーン。
火鉢であったまりながら本を読むシーン。
万年筆にインクを吸い上げるシーン。
シーンは何かが有ることで作られるだけではなく、
...
September 26, 2014
【016】「へー、すごいアプローチだね(笑)」
自分の中で形にならないと思っているものは、
光量不足でブレて写っているだけなのかもしれない。
「言葉の記録」というコーナーを作って、小林けんちゃんと話をした。この時、僕がけんちゃんに話を聞きにいっているのだけど、冒頭こんなやり取りをしている。
小林 なんか大谷さんの、ないの? 聞いてみたいこととか、関心とか。
大谷 (けんちゃんが)普段考えている、ずっと考えてしまうようなことが、
聞けたらいいかな。
小林 ふーん。なるほど。 大谷さんなりに僕にいろいろ関心持ったりとか、
こんな話面白そうとかは、あったとしてもそれじゃなくてね。
へー、すごいアプローチだね(笑)
この後、「そう?」と僕は気の抜けたような応答をしている。
この時は、このアプローチがどう「すごい」のか感じ取れなかった。本当にただ、けんちゃんが今何を考えているか聞いてみたいと思ったからだ。
取材の常識で言えば、こんなインタビュアは失格だ。なんの準備もしないで「なんでもいいので今考えてること聞かせてください」なんて言いながらレコーダーを回しだしたら、その場で叩きだされてもおかしくない。
用意周到に対象者に関する情報、最近の著作や発言を頭に入れて、ありそうな話の流れを予め読んでおいて、質問を準備する。それがインタビューの「イロハ」である。そういう点では、僕は友人という関係性に乗っかって、無茶で失礼なやり方をしているのかもしれない。
しかし、ここでけんちゃんの言う「すごいアプローチ」は、そういった「質問をするはずの人」側のマナーや常識についてではない。
僕は、この時以来、ずっとこの対話のことを考えている。
けんちゃんの話したことは、本来は僕の中にはないものだった。けんちゃんと僕とは、全く別々に存在していた。それにもかかわらず、けんちゃんの中にあったことが、僕の中にあったことに重なり、その2方向の照射から、それぞれの中に再びそれぞれの方向と強度を持った新たな視界が生まれた。その視界がまた何かを見えるようにしてくれる。
そういうことを引き起こすアプローチだから「すごい」のだ。
目的を持たない非構成の場を数多く経験してきたけんちゃんだからこそ、それを感じ取れたのだと思う。
10月24日にけんちゃんと2回目をやります。今度は公開収録をしてみます。
fence...
【015】対価ではなく畏怖や敬意として
こんなに小さかった。
欲しいものをもらったら、「ありがとう」と言う。
ありがとうを言われたければ、人が欲しいものをあげる。
ありがとうは欲しいものの対価にすぎない。
欲しいとも思っていなかったけれど、
それをもらったことで、
大きく何かが変わることもある。
その変化は、変化する前の自分では予想すらできなくて、
だから、それを欲しいと思うことはできない。
そんなことは頻繁にあることではなくて、
一生に一度あるかどうか、
そうい...
September 25, 2014
【014】支援を超えて
こういう気分の時に行きたくなる場所。
共同連の機関誌「れざみ」Vol.149の「【報告】大阪マラソントーク」というコーナーに駄文を書いた。いやもう駄文。僕の文章などよりも同じコーナーの他のお二人の筆者の文章をぜひ読んでほしいと思う。下記にそれぞれから一部を引用。
支援について話をした。「つらい、苦しい」がこみあげてきて、涙がとまらなかった。「平等ではない」に感じ、「支援」という言葉の力がこわかった。きいてると自分が暗くな...
September 19, 2014
【013】例えばとても悲しい事実がある。そして、
飛行機雲はなぜできるのかとか、
夜空はなぜ黒いのかとか、そういう質問が好きだ。
例えばとても悲しい事実がある。そして、
その事実はもうどうすることもできない。
こういう場合に作文で、こう書いたりする。
とても悲しい。しかし、どうしようもない。
この場合、それに続く次の文章を想起する。
だから、悲しんでも仕方がない。
つまり、この人は悲しむことをしていない。
一方、
とても悲しい。そして、どうしよう...
September 17, 2014
【012】無くても死なないもののために命をかけること
外国人が見た日本の風景、
みたいな写真。
「音楽がないと生きていけない」といったようなことをよく言うけど、これはもちろん比喩で、食べ物や水や空気のように、音楽が無くなると直ちに生命の危険にさらされるようなことはない。音楽にかぎらず芸術や文化というものはすべてそうだ。
飢饉や戦争に対して芸術や文化は負ける。
災害や病気に対して芸術や文化は負ける。
だから、そんなもののために命や人生をかける行為は、生きていくことについてのみ着目...
【言葉の記録2】小林健司さん 第11回
第11回 だから旅とか、冒険みたいなのに似てる
小林:
だから旅とか、冒険みたいなのに似てる。
ここまでなぜ来てしまったのかという説明を、
一個一個していこうと思うと、
いろんな分岐点があって、
こっちは池で、こっちは森だったから、
こっちに向かったとか
全部説明できるけど、
なんでこんなところまで出発地から、
来たのかっていう全部の説明は無理だよね。
大谷:
うん、そうだね。
小林:
けど、動機としては僕の言葉で言えば、
さっきの丁寧に生きるみたいな部分をちゃんと、
自分でそっちの方向に歩いて行こうとしたら
この道しか結果、なかった。
他、あったのかもしれないけど、
僕にはその道しか見えなかったというか。
ので、ここにいます、
ぐらいの説明になるだろうね。...
【言葉の記録2】小林健司さん 第10回
第10回 納得しやすいストーリーへの依存
大谷:
前にさ、あの、「無いの世界」の話をした時にけんちゃんが、
「無いの世界を語る言葉が無いから、
言葉で語ろうとしてる時点で、
その言葉はちょっと変な感じになる」っていうことを言っててさ、
そりゃそうだなと、すごい思ってて。
言葉自体が有るというものを前提に作られているから、
道具として適切じゃないけどそれを使わざるを得ない、
みたいなことがある。
小林:
あぁ、うん。...
【言葉の記録2】小林健司さん 第9回
第9回 同じ対象に向けて描写した事柄だというのは明確にわかる
小林:
ピラミッドと川みたいなものでさ、
僕が川だと思ってたものをピラミッドだよねそれは、って
大谷さんが言ってくれるのが
すごく僕にとっては豊かになる感じがあって。
僕の結婚式の時も、
「そのままのけんちゃんとなっちゃんがいる。
みんなもそのまま、普段のままいた」って、
大谷さんが言って、
あぁ俺やりたかったのそれだ!みたいに思った。
大谷:
うん。そう見えた。...
【言葉の記録2】小林健司さん 第8回
第8回 なんでけんちゃんはそういうふうになってるの?
大谷:
なんでそういうふうになってんの?
けんちゃんという人は。
小林:
僕が?
なんなんだろうね、これ。
大谷:
たとえばさ、常識に囚われない発想とか、
ちょっと人と違うことをやるとか、
そういう人はいるやん。
でも、そういう人は
ある方向に向かってやっている感じがあって、
「そういう考えだったらそうなるよね」って、
一貫している。
だから、次会った時、あぁそこまで進んだのね、っていう感じがするけど・・・。...
【言葉の記録2】小林健司さん 第7回
第7回 計画とか未来ってそんなにお金と密接だったんだ
大谷:
前にさ、けんちゃんと一緒にお金のテレビ見たじゃん。
小林:
うんうん。NHKのやつ。
NHKのやつ:NHKスペシャル「ヒューマン なぜ人間になれたのか 第4集 そしてお金が生まれた」のこと。
大谷:
あれのお金の一番最初、
起源をこないだ思い出してたんだけど。
お金の誕生によって未来が生まれた、
計画が立てられるようになったって話でさ、
あぁ、そんなにそうだったのかと。
計画とか未来ってそんなにお金と密接だったんだなって。
というか計画や未来はお金そのものやん。
小林:
うん。そうだね。...
【言葉の記録2】小林健司さん 第6回
第6回 構造というか本質的な仕組みは大企業と同じ
大谷:
けんちゃん、最初、
お金を稼ぐことを考えてるって、言ってたけど、
このピラミッドの中にいる人が
「お金を稼ぐことを考えている」って言うのと
違う感じがするなぁと思って。
小林:
そうだね。
大谷:
今までけんちゃんの話を聞いてきてわかったけど、
ぱっと最初の言葉だけ普通に、
僕の固定観念で聞いてしまうと、
このピラミッドの中でスーツ着た人たちの
「お金を稼ぐことを考えてます」っていう言葉と
全く同じ言葉なんだなぁ。
僕ら経済がないとたぶんこういう暮らしはできない。
お米が届くとか。
自分で作ってないお米が届くのは経済だから。
そういうのには乗っかってる気はして、
それはもう否定はできない。
それこそ無人島に行くとかしないと。
小林:
うん。
大谷:
でも、僕は、位置としては
このピラミッドのてっぺんより上にいる感じなんだよね。
この人達が頑張って作ったピラミッドによるインフラの上にいるけど、
ただピラミッドの論理から離れている時間帯があるっていう感じだね。
あと、経済じゃない別のピラミッドもどこかにあって、
そこへ行くとそれによる強固な体系があったりするんだろうなって
思ったりもする。
小林:
そうだね。
この前、話を聞いたんだけど、
100人ぐらいが住んでいる村があって、
そこでは塩と油以外は全部自給自足で賄ってるんだって。
食べ物とか衣食住。
でも月に一人あたり4万ぐらい現金が必要って言ってるから、
それなりにいろいろ買ったりするんだとは思うんだけどね。
大谷:
うん。
小林:
聞くとそこの農業の仕方とか技術とかすごい進んでると。
自然農法とかやってる。
でも話し聞いてくと、いろいろ、
組織の中のいろんなルールがあるわけ。
それはそれでそれがいいと思ってやってるんだったらいいけど、
夜に8時ぐらいから長い時は1時とか2時ぐらいまで、
それこそ円坐みたいな感じで話すんだって、ずっと。
何を話すのっていったら、
その日起こったいろんな出来事に、
どんな意味があったかを話すと。
たとえば車をどっかにぶつけたとかだったら、
それは自分にとってどういう意味があって起こったのかって。
それ聞いて、ものすごくめんどくさいなー、と思って。
その話し合いで1時2時までやられたら、
僕はたまらない・・・
大谷:
それはみんな好きでやってんの?...